こんなまちづくりでいいのでしょうか
写真は2018年作成の東京駅周辺再開発の模型
22日、「中央区副区長(吉田不曇氏)の選任同意について」の議案が上程され、採決が諮られました。
かがやき中央会派と、私たち区議団は反対しましたが、賛成多数で可決されました。
傍聴した方から「なぜ賛成多数なのか、納得いかない」という声が寄せられました。
反対理由は下記のとおり↓
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 記 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
議案第83号 副区長(吉田不曇氏)の選任同意についての反対意見
2021年11月22日
日本共産党区議会議員 小栗智恵子
日本共産党の小栗智恵子です。私は、日本共産党中央区議会議員団を代表し、ただいま上程されました議案第83号「中央区副区長の選任同意について」に対する反対意見を述べます。
本議案は、現在就任している2名の副区長のうち、11月30日に任期満了となる吉田不曇氏を、引き続き副区長に選任し、副区長2人体制を維持しようとするものです。
本議案に反対する理由は、まず第1に、中央区の2人副区長制は過剰な体制であり、副区長は1人制でよいと考えるからです。
副区長の定数は、一人制だった副区長(当時は助役)を二人制にする条例が1988年の第二回定例会で提案され、日本共産党のみの反対で決定し施行されました。二人目のポストは、事実上、東京都からの天下り人事のための受け皿となってきましたが、その後2000年から2005年までは一人欠員の一人体制で執行されていました。
2005年12月1日から今回5期目の再任が提案された吉田不曇氏が就任し、副区長二人体制となって現在に至っていますが、中央区では一人副区長体制で十分だと考えます。
現在東京二十三区の中で、二人副区長制を条例として制定している区は19区ですが、条例定数で二人でも一人だけの区が3区あり、人口57万人の板橋区を含め、現在、6区が一人副区長となっています。人口が増えたとはいえ17万人の中央区では、一人副区長体制で十分ではないでしょうか。
第2に、中央区のまちづくりの問題についてです。
中央区規則で、区長の職務を代理する副区長について、第2順位の吉田不曇副区長の担任事項は「環境土木部及び都市整備部に関すること」となっています。
私たち日本共産党区議団は、中央区が、「福祉の増進を図る」という地方自治体の責務よりも、国家戦略特区の大型プロジェクトなどに、容積率など様々な規制緩和の特典を与えて、大規模な再開発事業を進め、大企業が大きな利益を上げる「稼ぐ東京」をつくることに力をいれていることを批判してきました。
この間、大規模な再開発で中央区の下町の風情や長屋と路地文化、八重洲などの歴史ある街並みが破壊されてきました。民間デベロッパー主体の乱開発によって、急激な人口増となり、保育や教育、介護の施設が不足し、福祉サービスの切り下げが行われてきました。また交通などのインフラ整備が追いつかない事態になっています。
また、超高層ビル中心の再開発事業でCO2排出量を激増させることは、気候危機打開のための「ゼロカーボンシティ宣言」に逆行しています。こうしたまちづくりを担当しているのが吉田副区長です。
コロナ禍を教訓にして、東京一極集中の超過密都市をつくる新自由主義の経済政策は大きな見直しを迫られています。中央区のまちづくりの抜本的な転換を求めるものです。
第3に、今回5期目の再任となる点についてです。
全国的に、副区長の再任回数は2期程度で交代することが多いといわれています。中央区でも、副区長は1期か2期で交代しています。今回5期目の再任となるのは中央区でも全国的にみても異例のことです。
都市計画の手続きに大きな影響力を持つ立場に長期にわたって携わることで、「既得権や利権も生まれやすく」なり、公正な行政運営に支障をきたすことを危惧するものです。
最後に、財政負担について述べます。
副区長の給与・期末手当は年額約1800万円で、勤続期間4年で7100万円です。それに加え退職手当は任期満了ごとに1100万円、今回で4400万円となります。
一人制であれば、1期4年で約8300万円の節減となることを指摘するものです。
以上の理由から、議案第83号「中央区副区長の選任同意について」反対し、発言を終わります。御清聴ありがとうございました。