9月4日、中央区議会企画総務委員会で、「継続審査」になっていた請願の採決が行われました。

「築地市場の豊洲移転を中止させ、食の安全・安心を守ることを求める請願」について、賛成は日本共産党の奥村委員のみで、賛成少数で否決されてしまいました。

残念です。

 

それにつけても、委員7名のうち、理事者報告についても、議案についての質疑でも、発言したのは奥村委員だけというのは、いかがなものでしょうか。

 

(委員会構成→http://www.kugikai.city.chuo.lg.jp/kugikai/iinkaikousei.html

 

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奥村委員の「請願についての賛成意見」を紹介します。

 

「築地市場の豊洲移転を中止させ、食の安全・安心を守ることを求める請願」について賛成意見を述べます。

 

この請願は、食の安全・安心を守るため、土壌汚染の深刻な豊洲への移転計画を中止するよう、東京都など関係機関に働きかけることを求めるものです。

豊洲新市場予定地は東京ガス工場跡地であり、土壌汚染は依然、深刻です。

7月30日公表の調査結果でも、地下水から土壌汚染対策後の過去最高値となる環境基準の170倍のベンゼンや猛毒のシアン化合物が検出されています。土壌汚染問題は何ら解決していないにもかかわらず、7月31日、小池都知事は事実上の安全宣言を行い、8月1日、農水省に認可申請を行いました。予定通り10月11日に移転・開場するとしていますが、豊洲移転で食の安全・安心が本当に守れるのか、今こそ改めて問いなおすことが必要ではないでしょうか。

 

また、豊洲新市場は、使い勝手の悪さや床の耐荷重問題、駐車場不足、交通不便の問題など致命的な欠陥もいまだに改善されておらず、市場関係者らから、このまま開場すれば大混乱に陥る、と激しい批判の声が噴出しています。豊洲へ移転すれば年間90億円以上の赤字が出ると試算されており、赤字補填のため都民負担が増大することも深刻です。

市場内では、移転中止を求めて築地女将さん会が結成されたり、仲卸業者らが自分達の営業権を守ろうと築地市場営業権組合が結成されるなど、移転の是非を問う動きは益々広がっています。

 

2007年、当時の福田内閣は、認可の条件として、都が食の安全確保に万全の対策をとること、消費者等に十分説明し理解をえることを求める答弁書を閣議決定しており、2016年には安倍晋三首相も同じ立場であると国会答弁しています。

しかし、この2つの重要な条件は、移転直前となった今でも満たされていません。

 

かつて中央区長も中央区議会も「移転断固反対」の姿勢を鮮明にし、市場を築地に残したいと願う市場関係者や地域住民、消費者と思いをひとつにたたかってきました。問題が山積したまま移転をすれば、将来、長きにわたって大きな禍根を残すことは必至です。

移転に伴う仲卸業者の廃業や、営業時間の変更や閉店を余儀なくされる飲食店など、区民に及ぶ悪影響は計り知れず、近代化産業遺産に資する仲卸市場の建物の解体に意義を唱える地域住民の声もあります。

 

築地市場は中央区の宝です。市場関係者の営業と生活を守り、地域経済を発展させるため、そして食の安全・安心を確保し、世界に誇る食文化を守ることが必要です。

本来行うはずだった盛り土もなく、無害化の方針も投げ捨て、うそと隠ぺいとごまかしでできた豊洲移転計画の中止を、中央区議会として東京都に強く求めるべきです。

以上の理由で本請願に賛成します。皆さんのご賛同を頂きますよう、よろしくお願いします。

 

 

築地市場全景(がんセンター食堂よりおぐり撮影)

 

 

前回の企画総務委員会での請願審査については➡7・17ブログをご覧ください

https://ameblo.jp/maronrepo2013saisyohagu/entry-12391395263.html