11月6日、築地市場講堂で「新市場建設協議会」が開かれ、私も傍聴しました。
協議会では初めに、村松明典中央卸売市場長が、揚水井戸の増設や地下空間の換気設備設置など土壌汚染対策の「追加対策」工事で入札不調が続いていることについて、「ご心配をおかけしている」とした上で、「予定価格の再積算を行って来年7月末までに(追加対策を)完了させ、移転時期に影響ないように取り組む」と述べました。
都側は、追加対策工事と農林水産相の市場開設認可手続きが完了した段階で、小池百合子知事が「安全宣言」を行うとして、10月中旬に市場を移転する方針を示しました。
業界団体が11月2日に移転の日程に関連した要望書を都知事に提出、その回答が当日の6日に届き、その回答にあった「来年7月末までに必ず対策工事を終え、都知事による『安全宣言』を出す」ことを絶対条件として、水産卸、水産仲卸、青果など業界団体の代表は移転方針を了承。詳細な日程については、10日に再度協議会を開いて決めるとしました。
協議会はまるでシナリオができているかのようにスムーズに終了し、築地市場の豊洲新市場(江東区の東京ガス工場跡地)への移転を来年10月中旬とすることで合意しましたが、協議会終了直後に傍聴した市場関係者から「無責任だ」と批判する声があがりました。
仲卸の業者の方も「都の方から、『各業界で意見集約してください』とまで言っていたのに、全く集約されていません。(豊洲が)安全になっていないのに、引っ越しの日を先に決めてしまうことはおかしい」と怒りの声が上がっています。
こんなやり方で日程だけ決めても、追加工事は入札不調が続き工事業者も決まらない、追加の工事をしても汚染は残っているわけなので「安全宣言」など出せない、業者の合意もない、ないない尽くしの状態で「移転」など不可能ではないでしょうか。
昼下がりの築地市場(11/6協議会終了後に撮影)