カエル少年失踪殺人事件 【映画の感想】
原題:CHILDREN...
製作年度: 2011年
上映時間:121分
監督:イ・ギュマン
音楽:チェ・スンヒョン
脚本:イ・ヒョンジン 、イ・ギュマン
主演:パク・ヨンウ(カン・ジスン)
リュ・スンリョン(ファン・ウヒョク)
ソン・ドンイル(パク・キョンシク)
ソン・ジル(ジョンホの父)
キム・ヨジン(ジョンホの母)
etc
ストーリー
1991年3月26日、韓国のある村で、少年5人が行方不明になった。少年らはその日の午前中に、カエルを捕まえると言い出かけたまま戻らなかったのだ。
主人公は視聴率のためならば多少事実を湾曲しようが問題ないと豪語するTVプロデューサーのカン・ジスン。そんな彼が事実を湾曲したことがばれて地方に飛ばされ、この事件の解明に翻弄されていくのだ。
この事件は、映画「殺人の追憶」の中でも語られ、追憶の事件と並ぶ韓国の3大未解決事件のひとつを元にサスペンス映画として作られている。
韓国映画に多いエログロもなく、無論、純愛映画でもない。主演者を見てもらっても分かるが、はっきり言っておじさんたちばかりで、アイドルフェイスの若者はでてこない。結構一人ぐらいは出ていたりするのだが本作ではそれがないのです。それだけでもこの作品が如何に手堅く作られたのかがわかる。
ただ、主演者や、事件が韓国の失踪殺人であるため、日本側からすればこの作品は少しインパクトが薄いのかもしれない。しかしこの作品は、失踪したまま何もでてこないもどかしさ、犯人の捕まらないジレンマ、そんな被害者側の弱い気持ち、そして事件を名声に利用しようとする人々が描かれている。被害者家族の底知らぬ辛さが突きつけられる。サスペンスであり色々推測していく作品でありますが、被害者家族の気持ちを軸にした人の弱い部分を描いたヒューマンドラマと言っても過言ではないと思う。見終わった後、ただ無念さ悔しさが残る。もし自分が親の立場だったら、もし、その近くの住人だったら、警察側の立場だったら。
映画作品としても面白いのだが、やはり日本ではインパクトが薄いためか、現在六本木のシネマート六本木のみで公開中。シネマート心斎橋でも公開されるそうですが、それ以外は決まっていない。韓国の話で日本は関係ないように思え、見終わった後もあまり良い気持ちになれない作品ではあるが、子供を失う辛さは、国は関係なく、その底知れぬ被害者の親の気持ちを少しでも知ることができる作品として鑑賞したらどうだろうか。
ただ、サスペンスとしているためか、ちょっとばかり演出に韓国映画特有のくどさがある。
結論はない。それは、未解事件の作品であり、犯人は捕まっていなく、失った子供は戻ってこないのだから。2006年に時効が成立された。5名の子供たちが失われているのにだ。そして被害者の父の声が胸に突き刺さる「もう処罰もできない・・・なぜ殺したのか、それだけでも知りたい」。