フロスト×ニクソン FROST/NIXON | まろんぱんのあれ

フロスト×ニクソン FROST/NIXON

監督:ロン・ハワード
製作総指揮:ピーター・モーガン 、マシュー・バイアム・ショウ 、デブラ・ヘイワード 、ライザ・チェイシン 、カレン・ケーラ・シャーウッド 、デヴィッド・ベルナルディ 、トッド・ハロウェル
音楽:ハンス・ジマー
脚本:ピーター・モーガン
字幕翻訳:松岡葉子
演出:フランク・ランジェラ(リチャード・ニクソン)、マイケル・シーン(デビッド・フロスト)、ケヴィン・ベーコン(ジャック・ブレナン)、レベッカ・ホール(キャロライン・クッシング)、トビー・ジョーンズ(スイフティー・リザール)、マシュー・マクファディン(ジョン・バード)、オリヴァー・プラット(ボブ・ゼルニック)、サム・ロックウェル(ジェームズ・レストン)/etc


ストーリー
伝説の司会者デビッド・フロストと、ウォーターゲート事件が元で、任期中に辞任した唯一のアメリカ元大統領リチャード・ニクソンとのトークバトルの表と裏の話。ウォーターゲート事件で辞任したが、罪には問われなかった。その理由は、後任したジェラルド・R・フォード大統領が、ニクソン自ら辞任したことで、特別恩赦を行ったためだ。コメディアン出身のテレビ司会者フロストは、全米進出をかけ、ニクソンに謝罪の言葉を言わせるため彼にインタビューを挑むことを試みた。ニクソンは、このインタビューを成功に収め、政界復活への望みを託すため挑戦を受けたニクソン。互いの者たちがインタビューというバトルを繰り広げる心理戦エンターテイメント。


まろんぱんのあれ-フロストXニクソン


 まず、この映画は例え、バックストーリや、政治がらみ等を知らなくとも大丈夫です。それは、丁寧に作られており前後関係など冒頭に語られているからです。なので、ウォーターゲート事件と言って、へぇ?水門事件なんか?って突っ込みいれるレベルでも勿論OK。まずわかり易く感じられたのが、個々のイベントに対して、数年後のその関係者の人物達がインタビューを受ける形で説明するのです。「あの時彼は私たちにそういった素振りを悟られまいとしていたわ。」みたいな感じではいる。これはこの話が舞台化されており、それをベースに手を加え映画化された結果だそうだが、違和感なくその場面をわかり易く補足するのに大変魅力的な手法だなと感じた。そう、映画監督はロン・ハワード。昔の作品では、アポロ13身代金ダ・ヴィンチ・コードやその次回作である天使と悪魔も同じである。なので一見、政治映画?地味でつまらないと思われがちだが、そうはさせないのがハワードではないかと思ったがやはりそうだった。政治というより、インタビューというリングの漢対漢のバトルの映画なのである。

 

 またこの映画はフロストとニクソンのインタビューの実話をベースにしているが、あくまでベースだということです。
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例えば、映画のターニングポイントとして描かれている最後の方のフロストとニクソンの電話がありますが、あれはフィクションです。謝罪を引き出したのがフロスだと感じられますが、そうでもないのです。その理由は映画では語れていないが、インタビューの利益の20%をニクソンが受け取れる契約をしており、もしこのまま惨敗で終わってしまうと売り物にならなくなってしまうからです。が、大事なのは、だからといって、全てはフィクションか?と言われれば、もちろん異なるし、何より、ニクソンの一番の望みは政界復帰をしたかったのは事実だった。なのでそこを歪めさせたのはあくまでフロスト達の力なのです。


 またこのトークバトルを繰り広げるフロスト、マイケル・シーンとニクソンのフランク・ランジェラの演技が凄い。彼ら は元の舞台でも同じ配役で、バトル中だまって聞いているフロストの顔がその場を全て語ってくれている。目は口ほど物を言うではありませんが、そのままです。一気に彼に取り込まれました。目を見ているだけでノックアウトさせられます。またフロストの彼女役のキャロライン・クッシングもかわいい。それでも恋するバルセロナにもでていますが、今回は70年代風のセレブ美女を演じています。もうめろめろです。とうかですね、あれです、ジェームズ・レストン。ごめんなさい。何度レストランと読み違えたか。もうね私の中ではそこがパニック。レストランで会おうなのかレストンと会おうなのかね。もーーー。ぼかーーんでした残念。


 一見こういった映画などは自宅でゆっくりや、どうせアクションないから映画のスクリーンでなくともって思われる方が多いかもしれません。しかし私はこういった作品だからこそ映画館という大画面が適しているのはでないでしょうか。それは大画面で見ることにより、各俳優の汗や息遣いなどが事細かいに感じられるのです。私はこの人たちの戦いをみて泣き状態に陥りました。それほど熱さを感じられる映画でした。さすがにアカデミー賞にノミネートされただけの作品ではあります。ただ土台が地味なだけや、日本人に有名な俳優が使われていないせいか、如何せん公開箇所が少ないのが悲しい現実。こういう映画ってレンタルも難しいかもしれないですねぇ。この中の俳優がどかんと人気でてくれればいいのですが。


結論
日本人の私でさえ、ブッシュを退任が、ニクソンの辞任と似ていると思ったしまった。



一応補足しておくだべー
ウォーターゲート事件とは?
1972年6月、ワシントンのウォーターゲートビルにある民主党本部に盗聴器を仕掛けようとしたが逮捕されてしまった。その侵入者5名を調べていく内に、ニクソン大統領再委員会に関連した連絡先が見つかり、ニクソン大統領に近い者が関係あるのではないかと疑惑が生まれた。ワシントン・ポストの記者はホワイトハウスが深く関与している事実を見つけ発表した。そしてホワイトハウスの高官が次々と辞任もしくは解雇され、ついにはニクソン大統領も辞任する結果になった事件。要は、ニクソン元大統領が、ライバルである党の盗聴行為を行ったり、大統領の権限を乱用したりと指示をしていた可能性が高かったってことです。