★在宅療養の心強い味方
診療所のなかには在宅医療に積極的に取り組んでいるところがあります。在宅療養支援診療所は、自宅等で療養する患者に対して、24時間態勢で連絡を受け、必要に応じて往診や訪問看護に対応してくれる心強い存在です。訪問診療を行う一般の診療所と比べると医療費は高めですが、その分、在宅医療のサポート態勢が手厚いのが特徴です。全国に約1万ヶ所あり、全診療所の1割程度を占めています。なかには届け出だけで、実際には24時間の対応をしていない診療所もありますが、在宅医療の充実には国も必死に取り組んでいます。団塊世代の高齢化対策としても、将来的にはこの数がさらに増えるものと予想されます。また、最近は有料老人ホームや高齢者向け賃貸住宅に診療所を併設したり、施設への訪問診療を手がけたりする医師も増えつつあり、こうした動きは注目していきたいところです。
★在宅介護を家族が支えられるか
ただ、自宅で療養するには家族の協力が不可欠となるのも事実です。病状の急変時に医師と連絡をとったり、場合によっては医療機関に受診させたりする手続きが必要になります。介護力も必要です。人は医療だけで生活できるわけではありませんから、食事や排泄などの介護も欠かせません。そのため1人暮らしや高齢夫婦世帯では自宅療養がむずかしくなる場合もあるのです。もちろん介護保険制度の介護サービスを利用する手もあります。しかし、重度になると、それだけでは在宅介護を支えきれないのが現状です。最も重度の「要介護5」の人が、介護保険で決められている利用の上限額まで訪問介護を利用しても、1日せいぜい3時間程度しか利用できません。家族の介護力に期待できなければ、施設に頼らざるを得ないのが現状なのです。療養病床の削減が進められていますが、それと同時に自宅や高齢者向け施設・住宅での医療提供態勢を整備していくことも不可欠となっています。
■住み替える時期を逸しないように
★引っ越しには体力と判断力がいる
定年後に住み替えを検討している人にとって、その時期をいつにするかは悩みの1つです。元気なうちか、それとも体力が少し弱ってきた頃にするのか。なかには「介護が必要になってからで十分」と考える人もいるでしょう。いつがよいのかは、住み替える目的や考え方によります。ただ、「いつかそのうちに」と考えていると、住み替えるチャンスを逸してしまうことがあります。というのも、住み替えには「引っ越し」という大作業が伴うからです。馴染みのある家具や多くの荷物の中から、捨てるものと、住み替え先に持っていくものを整理するには大変な労力がいります。荷物の取捨選択には判断力もいります。「引っ越しできる体力と判断力があったから可能だった」という人も少なくありません。また、愛着のあるものや、思い出の詰まっているものもあります。できれば手元に置いて置きたいところですが、すべてを持っていくのはむずかしいのが現実です。場合によっては、思い出の品を捨てる覚悟も必要になります。有料老人ホームに入居したある夫婦は、住み替えにあたり、断腸の思いでアルバムの多くを捨てたと言います。「それまでの執着を捨て、新たな人生のスタートだと思って割り切ることも大切」だと語ってくれました。こうした考え方ができるかどうかも問われるのです。
■まとめ
最近では医療技術も格段に進化し、「人生100年時代」などとも言われるようになりました。一昔前の60代といえば、老人的な扱いでしたが現代では違ってきています。まだまだ現役で仕事をする方もいれば、旅行やスポーツなどを楽しまれる方も多くみえます。しかし、生活する上で何も支障がないというわけではありません。体調を崩しやすくやったり、重い物を運べなくなったり、また現代のテクノロジーについていけないという方もみえると思います。今までと同じ所に住んで同じ生活をしようと考えるのもいいと思いますが、住み替えを検討してみるというのも、1つの手です。一度、セカウンドライフのために住み替えを考えてみてはいかがでしょうか。
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