ブックオフに本を覗きに行くときには、必ず鉄道模型の棚を見るのだが、近くの店舗にあるガラスケース内のNゲージのセット類や単品動力車は、いつ見てもあまり琴線に触れるものがない。特に旧型客車のセットがほぼ皆無というのは、その辺を主に集めている身としては結構厳しいものがある。客車だけでなくて、全体的に国鉄系の顔ぶれが少なく、関東の私鉄系や、JRの通勤型などが大部分を占めている。ガラスケースの他に、ジャンク品中心の吊るし棚もあるのだが、そこにも国鉄型は少なく、しかもあまり品が入れ替わっている気配がない。

 こういう中古模型の地域的な差異はなかなか興味深いものがあって、これが東武沿線の東松山にある別の中古店になると、こちらの店からは20kmも離れていないが、GMやマイクロのブックケースが目に見えて増え、かなり私鉄色が強まる。同じブックオフでも去年の三月に訪問した白河はまるで別世界、ガラスケースには国鉄型がずらりと並んでいるという、ちょっと関東ではお目にかかれない光景で、雪景色の車窓や芭蕉の銅像を見ても今ひとつ湧き上がらなかった東北に来たという実感を、こんなところで抱いたものである。その白河では買いそびれていたKATOのEF10 3次型(N)が安く並んでいたのを購入、そのうち門司機関区時代の関門仕様に改造しようと思っているのだが、デッキを原型に戻すのが難題で着手できていない。

 閑話休題。昨日最寄りのブックオフに行き、あまり中身の入れ替わっていないガラスケースを横目で流し、ジャンク中心の吊るし棚を見にいった。ずっと売れ残っている通勤型のサロやコンテナ車が並んでいて目ぼしいものはないな・・・と思っていたが、1輌だけ16番の貨車が箱付きであるのを見つけて手に取ったところ、なんと天賞堂のワフ28000だった。痛みはほとんどなく、あまり高くもないので、そのままレジへ並んだ。

 ベーカーカプラーだが、軸受けは二段リンクなので、後期製品だろうか。走らせるにあたっては、当鉄道仕様、すなわち1950年代の様式への改造が必要なので、まだ運用には入れられないのだが、とりあえず箇条書きしておくと

 

・カプラー交換

・走り装置をワールド工芸の一段リンク化(おそらくこれに伴い床板もプラ板で作り直し)

・床下のブレーキ装置、パイピングを買ってあるホビーモデルのパーツで追加

・標識灯はエコーのパーツに交換

・手すりのモールド類は削る。ワールドの一段リンクはおまけパーツがついてくるので、票差しとかも変えるかも

・屋根上ベンチレーターはガーランド×1からトルペード×2にするかも?

 

ざっとこんな感じだろうか。16番を始めた2020年にホビーモデルのプラキットを組んだワフ22000がいるので2ショット

 

 

 ワフ22000はインレタの剥がれがひどく、1950年代仕様では側面の発煙筒(信号炎管)が不要なことも組んだ当時はまったく知らずに組んでしまっているため、ワフ28000ともども更新修繕してしまおうと企んでいる。ともあれ二輌の緩急車がいれば、機関車次位の入換手乗務用と、編成最後尾の車掌用とができ、よくある各駅停車の解結貨物が組めることになる。そもそも16番を始めた頃は、貨車を多く作ろうというのが目標だったので、16番5年目になるいま、初心に帰るのもまた悪くないと思っている。