私は小学校の時から、
70点台を取ると、
自分はダメなやつだと思っていた。
全教科、
90点台が当たり前、
80点台はまぁまぁ、
70点台は落ちこぼれ。
そんなイメージで、
勉強していた。
でも、
高校の時、
頑張ればできるけど、
色んな不愉快なことゆえ、
頑張れない自分に出会った。
努力すれば高得点取れるけど、
頑張りたくない時期というものがあった。
今では、
世の中の、
全教科で90点を取れる人には、
きっと私の気持ちはわからないだろうと思う時がある。
私は大学の時も、
ほぼずっと頑張れない期だったから、
国家試験合格も、
神様本当にありがとう。
ただそれだけだった。
そんな中でも。
大学の時、
細菌に出会ってわかった。
私には、
人には聞こえない、
細菌の声が聞こえる。
90点オールマイティの人の中で、
細菌だけに限って、
100点取り続けられるのは、
私だと思った。
物理的に菌の声が聞こえるわけじゃない。
雑菌が無言なわけじゃない。
でも私には、
どの菌が今の私にとって必要なのか、
シャーレを見れば、
わかるのである。
そう気づいた日から、
細菌の研究が、
私にとっては譲れないものになった。
私にとって面白いことと、
他の人が面白いと思うことが違うことも、
私にとっては面白いことだった。
いい雑誌に掲載されるからいい研究、
と思われがちだけど、
それだけじゃないんじゃないかと思う自分がいた。
私だけにしかできない菌の研究が、
あるんじゃないかと、
今でも思ってるし、
そういう場所に行くことを目指してる。
でもだからこそ、
研究に絡む場面で、
私は厳しくなってしまう。
ヘラヘラしてる人を、
許せないと思ってしまう。
研究に、
境界なんてないはずなのに、
私はいつも厳しくなってしまう。
それだけ私が厳しい世界を当たり前として来たからだ。
そして、
それに賭けているからだと思う。
私は譲れないものを、
譲れないまま生きている。
いつか、
寛容になれる日を、
待っていたりもするわ。