ショコラはペットショップで売れ残っていた子で、尻尾が折れていたのに放置されていた事に気付き、購入手続き後すぐに動物病院へと駆け込みました。

何ヶ月も折れた状態のまま尻尾は上がらなくなり、断尾も視野に入れて下さいと言われた程でした。それでもなんとか少しずつ動かせる様になり、断尾は免れましたが小さな身体で骨折したままの姿でガラスケースに閉じ込められていたかと思うと、不憫でなりませんでした。その時から私がこの子を大切にして行くと心に決めたのです。

ショコラの癌は悪性度が高く、5ヶ月前の定期検診では何も写っていなかったのに、癌と告げられてから日に日に弱り始め、出来ない事が増え、あっという間に苦しい状態に陥ってしまい、終わりの2週間近くは寝ずの看病(酸素室の濃度管理、温度、湿度の調整がとても難しかったです)をしましたが、あの日の深夜、聞いたこともない様な声で鳴いたんです。苦しめてる、私が生きていて欲しいと思うが余り、この子を苦しめてると思い知らされ、そこで悟りました。

色々な事が有りました。毎日の通院の帰宅時、桜並木を通るんです。
桜の花の蕾が
「今日は少しピンク色になったね」
次の日は
「昨日よりピンクが多くなったね」
と話しかけながら桜の木を見せました。

最初の内はキョロキョロと眺めていたのですが、日に日に頭を上げられなくなり、動けなくなって行きました。それでも亡くなる前日まで語り掛けました。

「見てごらん、桜の花が満開だよ」と。。