4月


また高校1年生の春を迎えた


私の友達は、もう学校にはいない


なんだか虚しい。


元クラスメイトは、高校2年生


これまた複雑。


元クラスメイトのちょっとヤンチャな友達が

1年校舎の廊下に現れ『桜子!元気?』と

大きな声で叫んでいる。


おい!おい!声でかっ。


私は『new桜子』だ。


そんな下品な口調で私を呼ばないでくれ。

と、心で思いながら、少し呼ばれて嬉しい

自分もいた。


私はすぐに廊下にでて、『ありがと!』と

小さな声で返事をした。


元クラスメイトの友達は、『寂しかったら

いつでも、こっちに遊びに来な』と言って

くれた。


なんだか、泣きそうになった。


そう言われた事が、心から嬉しかった。


こんなやり取りをしている、新入生なんて

いるわけないので、すぐに私が2回目の1年

生だという事が、バレてしまった。


まあ、いいや。


いずれは、バレるから。


けど、秒でバレたのは痛いな。


少し開き直りながら、また仲良くできそうな

クラスメイトを探した。


あれ?なんだかこの学年、いいかも。


周りを見てそんな予感がした。


なんだか、楽しみだな。


あれ?自宅に戻ると、母さんがいた。

そうだ。忘れていた。

4月から母さんもマンションで暮らしてる。


明らかに私を監視しているな。


大丈夫だよ。母さん!


私は『new桜子』ですから。