東野圭吾『手紙』 | Chez Nous 

東野圭吾『手紙』

映画化もされた東野圭吾の『手紙』読み終わりました。
う~ん、なかなか、考えさせられる、そして心に深く響く作品でした。
Chez Nous
 

 強盗殺人の罪で服役中の兄、剛志。弟・直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届きます……。しかし、弟の直貴が、まともな人生を踏み出そうと転機を迎える度に、強盗殺人犯の弟という運命がじゃまをして、思うような人生を歩むことができないのです。
兄のせいで弟の人生はいつも狂わされる・・・


家族に犯罪者がいるということで、背負わされてしまう罪。
獄中で生きる兄と実社会に生きる弟。
どちらが過酷なんだろう・・・本当の牢獄とは、人生の中にもあるのだろうか・・・?とも考えてしまった作品でした。

あらゆる場面で受ける社会からの差別。

こんなに極端な例ではなくても、それぞれの人生で、人を差別する、差別されること、というのは日常的におこることだと思います。

しかし、差別はそれが悪いこととわかっていても、決して世の中から消えることはない。
ではどうするか・・・それはやはり、ひとりひとりがその問題に対して、どう折り合いをつけるか・・・ということのような気もしました。

しかし、直貴の場合、そんな簡単なことではないのかもしれません。
折り合いをつけようとしても、また別の差別が覆いかぶさってくる・・・それでも人生にまっすぐ立ち向かう直貴の姿に、人間はたくましいとも思いました。

「兄貴、俺たちはどうして生まれてきたんだろうな。兄貴、俺たちでも幸せになれる日はくるんだろうか」

という問いかけに、「大丈夫、幸せになれるよ」
と、無責任にも言ってあげたくなりました。