ステロイドを飲み始めて悪かった事。

神経が覚醒したかのように眠れなくなった。
重症筋無力症と診断された当初
ステロイド投薬の拒否反応を診る為に
3週間の入院を余儀無くされたが
とにかく眠れなかった。
時間に追われて仕事をしている人が
ついつい覚醒剤に手を染めてしまった時って
こんな感じ?と思えるほど
24時間ギラギラしていた。
やる事、する事の無い入院中にこれは辛かった。
家でなら眠れないなら眠れないなりに
掃除や片付けをしたり
料理の下拵えをしたりといくらでも時間は潰せるが
病院では本を読むかスマホを弄るしかない。
入院時に持ち込んだ本などとっくに何冊も同じ本を繰り返し繰り返し読んで
読み飽きてしまっていたし
スマホで何か見たり読むのも毎日四六時中となれば飽きてしまう。

無理に寝ようと横になって知らず知らずに眠り
凄く何時間も爆睡した気分でスッキリバチっと目覚め、
時計を見ると3分しか経っていない…
と、云う事も繰り返し有った。

体が薬に慣れてきた今も大抵2~3時間寝ると目が覚めてしまう。
今はもうまとまった睡眠は諦めて
易疲労性でだるくなると眠る、覚醒されている間は深夜だろうが明け方だろうが
無理に寝ない事で折り合いを付けている。

次に脱毛と多毛。
相反する症状の癖に同時にくる。
髪は抜けるのに、ヒゲが生える。
毎日シャンプー後、排水溝が詰まり
ドライヤーをかけるとハラハラと足元に抜け毛が溜まり
出掛け際髪にブラシをかけると
服に抜け毛が束で落ちる。

先日後ろ姿を撮った写真も
抜けた毛が髪に絡まりぶら下がっているのが見えて悲しくなった。



前髪に至ってはもう伸びる力を失ってしまったのか、
鼻辺りまでしか常に長さが無い。
一年切って無いにも関わらず
全く伸びる気配がない。
きっと横髪や後ろ髪と同じ長さになる前に抜けてしまうのだろう。

これだけ抜け毛に悩まされながら
顔の多毛は日々激しくなる。
口角とアゴに毎日ゴキブリの足並みに黒々艶々とした毛の頭が2、3本現れ
毎朝、毎朝、毛抜きと格闘している。

主治医に相談すると
「耳毛が伸びる人とかも居ますし
自分で処理できる場所に多毛が来て良かったと思いましょう。
耳の穴から毛がヒョロ~っと出てても
自分で抜いたり剃ったりが難しいですからね。」
と、無駄にポジティブな返答をされただけだった。



そして太る。
浮腫む。
食欲増進。
ほとんどの人が一番にコレが来ると思う。
幸い私はムーンフェイスは、今のところほとんど無く過ごしているが
肩、背中、アンダー周辺に中心性肥満が来ている。
体重増加は4キロ。
元が小柄だから他人から指摘される事は無いが
自分的に姿見を見る度に辛くなる。


それから薬害性糖尿病。
ステロイドのせいで血糖値が上がっても
生活習慣病の二型糖尿病と区分も扱いも変わらない。
一型の人は不運な体質だから仕方ないと言われるが
副作用で高血糖が出る薬も有る事があまり認知されてないせいか、
自堕落、自業自得、とからかわれる事が有るのが辛い。
私の場合、月1の血液血液でHbA1cが6・5を超えたら
そこからHbA1cが6以下に下がった月までトラゼンタを処方されている。
下がれば休薬し、上がれば服用の繰り返しだ。

中性脂肪値、コレステロール値も羽上がる。
重症筋無力症とは別の自己免疫疾患で
同じ様にステロイドを服用している知人は
高血圧の薬をはじめあらゆる成人病の薬を処方されていると嘆いている。


他にも日和見感染
骨粗鬆症、大腿骨壊死、
腎機能低下からの透析など
色々な恐怖が常に付きまとう。

重症筋無力症と云う病は治らない。
治らない癖に進行を抑える為に飲む薬で
新な病気をいくつもいくつも呼び込むのが耐えられない。

だけど耐えなければきっと動けなくなる。
その矛盾をずっと死ぬまで抱えて生きなければならない。