前回の話






娘は感染症の為、個室に移る事になりました。



娘を個室に移動し、私も付き添いする事になりました。




パパに電話しましたが出ません…



仕事中だし仕方ない。


LINEに

[娘が入院したので電話下さい]と打ちました。




先生、看護師さんが何回か見に来ましたが娘はずっと寝ています。



心電図モニターは安定していましたが、

あまりに動かないので心配になり、私は何回も娘の顔を確認していました。




外が暗くなる頃、パパから電話がありました。


状況を説明すると

「今からすぐ行くから!」


と急いで病院に来てくれました。



パパが病院に着くと先生から娘の容態の説明がありました。


思っていたより、娘の容態が悪い事を知ったパパはかなり落ち込んでいる様子で



「次女も家に居るし明日、仕事休む連絡をしてくるよ」

と外に電話を掛けに行きました。



しかし、なかなか帰って来ません…



やっと帰ってくると、何故かいつも温厚なパパが怒っている様子でした。



話を聞くと


電話を掛けたら社長が出て、娘が入院し容態が悪いから明日休みが欲しいと言った所、




「そんなもん、嫁に全部任せとけばいいだろ。

お前は仕事休む必要なんかない。


今までも休み取ってたけど、休み過ぎだ。

迷惑をかけるな。」


と言われたとの事…



正直、グサッとナイフで刺された様なショックと衝撃を受けました…






パパの会社は小さな会社です。



なので従業員も少なく、病院の急な呼び出しなどで会社に迷惑をかけてしまったのは事実です。


でも…でも…そんな言い方…




そして


「社長はあまり会社に顔を出さず、遊びに行く為に休みを取っているのに。


娘の病気の事も知って、そんな事を言われたのが許せない…」



「実は今までも休む度にチクチクと言われていた…」



「もう会社、辞めようと思ってる…」




パパは家庭と仕事の板挟みでずっと苦しんでいました…




私は色んな事にショックを受けながらも


「分かったよ…


とりあえず今は娘が心配だから…落ち着いたら話そう。」


と言いました。



パパと娘の病室に行きました。

ずっと娘の寝顔を見て、ベッドの横から離れませんでした。



「もう遅いし、私が付き添うから帰って大丈夫だよ。次女がおばあちゃんと待ってるから…」


そう言うと悲しい顔をして帰りました。



個室の隅に椅子を並べて、横になりました。




窓からの隙間風が冷たくて寒くて…


早く娘を連れて暖かい家に帰りたいよ…



娘の寝顔とモニターを見つめながらそう思っていました。