楊洲周延 /千代田大奥 御花見
江戸城大奥での花見の様子を描いた錦絵です
江戸の庶民にとって花見は
前の晩から支度をして
1日がかりで出かける一大イベントで
身分や男女の別を問わず
遍く民衆の娯楽として行われていました。
在野の江戸研究家であった
三田村鳶魚の『江戸年中行事』には
「町人が卑しめられて居たとか
職人が其の日暮しであつたとか
それを別天地にして
江戸市民は別に
楽しく快い世界を持つて居た」
とあります。
窮屈な日常を離れて遊ぶ花見は
まさに「楽しく快い世界」
の最たるものだったのでしょうね🌸
🌸
女性たちは
花見小袖と呼ばれる晴れ着で着飾り
花見時には
正月以上に華やかだったそうです✨✨
雨が降っても傘をささず
贅沢な小袖を濡らして帰るのが
粋なことと考えられていたそうです❗️
現代にはない
【粋】な心意気ですね✨
🌸
弁当包をくくっていた細縄を
袖に通して桜の枝に結び
幕の代わりにすることもあったそうです。
華やかな小袖が
桜の中にたなびく様は
さぞかし美しく
うっとりする光景だったことでしょうね
🌸
江戸時代には
手習塾や寺子屋の師匠が
弟子たちを引き連れて花見を
することもありました。
歌川(安藤)広重 /江戸名所飛鳥山花見之図
飛鳥山の花見の様子を描いています。
お弟子さんたちがお揃いの衣装で。
「師匠の花見」と呼ばれ
塾の宣伝を兼ねていたそうです。
歌や踊りの師匠や
俳諧の宗匠などが
お弟子さんたちと
お揃いの衣装や日傘で
集団でお花見に繰り出したそうです。
ここまで揃えるとは
随分前から準備していたのでしょうね💫
🌸
揚州周延 /花見客で賑わう隅田堤
美しく着飾った女性たちと、その後ろには
酒を飲み、三味線や踊りに興じる人びとも描かれていて
江戸の花見の雰囲気がうかがえます。
江戸時代の桜の季節は
現代よりも
特別な季節だったのですね
タイムマシンがあったら
ぜひぜひ江戸の花見に参加して
楽しく快い世界を
体験したいものです