12月26日〜30日は
七十二候の「麋角解」(さわしかつのおつる
です。

麋角解
雄のシカの角が取れ落ちる頃とされ
ますます冬が深まる頃です。


(さわしか・び)」は大型の鹿のことで
「なれしか」とも読まれていて
一般的にはヘラジカやトナカイの仲間を指しています。

「麋」は見慣れない漢字ですね。

この「麋」(び/さわしか)とは
どんな動物をしめしているのでしょう?

ピンク薔薇

ニホンシカ

奈良公園で有名な日本の鹿は
角が落ちるのは春先で
年末のこの時期ではないそうです。

興福寺の鹿の角切り行事も10月
雄同士が角で傷つけあうのを予防するために
発情の前に角切りが行われます。

「麋」は「ニホンシカ」ではないですね。

ピンク薔薇

もともと七十二候は
古代中国で考案された季節を表す方式で
日本に渡来してからは
日本の気候に合わせた内容になりました。

「麋」は
中国に生息している動物のようです。

中国に住んでいて
普通の鹿より大きく
冬至の時期に角を落とす鹿
という条件にあてはまる
フシゾウ」という動物がいます。
 写真:Wikipediaより
シフゾウは
鹿のような角を持ち
牛のような蹄を持ち
馬のような顔をして
ロバのような尾を持ちながら
その四つの動物とは異なることに
四不像」という名がついたそうです。

中国の沼沢地にすんでいましたが
乱獲によって19世紀末には野生状態では絶滅
20世紀には中国から姿を消してしまいます。

ヨーロッパ人の尽力により
欧州での繁殖が進み中国にも復帰し
今では世界各国の動物園で見ることができます。

日本の動物園にもいます。

王子動物園

ピンク薔薇

日本にはいなかった動物が
七十二候になっているのは不思議にも思います。

未知の動物に対しての神秘性や
日本の気候のみに固執せず
そういう動物もいるのだと柔軟に受け入れたのか
真意は分かりませんが

「四不像」が
絶滅せずに今も存在していることは
本当に嬉しいことですね✨✨