偶然WOWOWでこの映画に接した。

洗練された仮想未来の描写と設定を前に目が釘付けになって、最後まで一気に見てしまった。

 

夭折のSF小説家・伊藤計劃(いとうけいかく)が遺した最後の大作の映画化。

 

もっと中身が知りたくなり、電子書籍も買った。

 

その昔、米国の内戦から始まり、世界規模の核戦争にウイルス感染が重なり、多くの人が失われた。

その反省により、健康や思考を超高度に管理する社会が形成された。

政府は社会を管理する要素を実質的に失い、代わりに多くの生府が個人を管理する。

生まれた時から身体の中に「WatchMe」を埋め込まれる。

大人になると自動的に起動し、身体も生活も根本から中枢管理される。

病気も犯罪も危険思考も、予兆の段階で管理される。

 

そしてこれらを阻む活動は、「螺旋(らせん)監視団」が世界レベルで飛び回り、監視する。

 

主人公、トァンは生府の推し進める管理社会が嫌いだった。

同じように現実を忌み嫌っていたミァハと高校時代に出会い、彼女の考えに接し、彼女に憧れていた。

ある日、友人キアンも加わって3人でそんな社会に別れを告げようと、自殺を試みた。

結果、ミァハだけがいなくなった。

 

トァンは一般社会に溶け込めず、螺旋監視団の中に入り、特権を利用して社会に反抗を試み続けていた。

管理社会では出回らないお酒を闇で取引していた。

それが上官にばれ、謹慎のため日本に一時送還された。

 

そんな中で、再会したキアン。

管理社会に溶け込んだ普通の人間になっていた。

 

ところが、キアンはトァンとの食事の最中、いきなり目の前でナイフを喉に突き刺して自殺してしまう。

 

同時に6,000人以上の人が何の予兆もなしに自殺を決行したことがわかった。

 

トァンはこの事件の背景がミァハの思考と酷似していると直感し、

謹慎+カウンセリングの指示を蹴り、ミァハの影を探しに世界を飛び回る。

猶予は5日。

 

ハーモニー・・・・調和を意味するこの言葉。

本を読み終わった時、2時間の映画を見終わった時、その言葉の意味がわかる。

 

人類は病気になる可能性も、犯罪者になる可能性もない社会を作ろうとしている。

でも、その究極が実現された時、日本は、世界はどのようになるのだろう。

それは本当に人類のためになるのか?

いつもそれを考えて、自分の仕事にすら懐疑的になりつつあった僕の心のもやもやを、

この映画は仮想世界として示してくれていたのだった。

 

医療の向上を目指す僕にとっては、多くの示唆を含み、あるいは警告を含む内容でもあった。

 

この作品の世界を細部まで味わい尽くすのであれば原作の小説を勧めるが、

一度読んだだけではイメージをつかみにくい小説でもあるので、

アニメに抵抗感がないのならば、まずBlu-rayかDVDで全体を俯瞰(ふかん)してから原作を読むのは良い方法だと思う。

 

アニメ化に際しては一部改変があるが(特にラスト)、概ね原作の世界をよく再現していると思う。

 

それにしても、伊藤計劃の小説は「ハーモニー」といい、「虐殺器官」といい、傑作の名にふさわしい。

今も生きていたら、SFの世界は大きく変わっていただろう。

彼の世界をもっと多く読みたかった。

 

 

 

 

A&W ルートビア24缶

A&W ルートビア24缶 [食品&飲料]


米国産。
米国や沖縄では大衆的な飲み物だが、それ以外の日本ではほとんど知られていない飲み物。
沖縄のA&Wチェーンでは何杯飲んでも1杯分の価格。

ビア(Beer)と名前はついているがアルコールは入っておらず、むしろコーラの仲間。
歴史はペプシコーラやコカコーラより古い。
飲むとサロンパスでも飲んでいるかのような風味。
1缶目は違和感があるが、飲み続けると(人にもよるが)はまる。

ラノベ「妹さえいればいい。」(最近アニメ化された)で紹介された。
今の僕のいちばん好きな飲み物。ビール、コーラ、コーヒー以上の頻度で飲んでいる。

1箱、箱買いした。

たぶん毎月のように箱買いするだろう。

ちなみにサロンパスのような風味は、ルートビアの原料の一部である植物に微量成分として含まれているサリチル酸メチルによるものとのこと。

毎日午後10時から11時にかけてネットが急に重くなります。
きっと、マンションの中にネトゲが好きな人がいて、回線に負荷をかけているのでしょう。

さて、標題の「君に恋をしただけじゃ、何も変わらないはずだった。」
筏田かつらさんの最新作、発売日に入手しました。

もういちど↓

君に恋をしただけじゃ、何も変わらないはずだった (宝島社文庫)

君に恋をしただけじゃ、何も変わらないはずだった (宝島社文庫) [文庫]



いろんな人が出てきて、みんな久美子さんを好きになる。
玲二は不運続き。久美子さんの気持ちはわからない。
いろんな「???」が僕のアタマを包んだ最後、すべての謎が解けていく。
恋愛ものなのに、日常物の推理小説でも読んでいるようだった。

そして最後、久美子さんの側からの話が出てくる。
「あ~、そういうことだったのか」
人の気持ちは読もうとすればするほどに、よくわからない。

そして読み返す。
玲二が、ほんと呆れるくらい「いいひと」。
その「いいひと」故にいいこと悪いこと次々と起きていく様子が面白い。
このくらい不器用でいいひとでいるのも悪くないかも。

好きな本で相手の人となりを知る、というエピソードも微笑ましく感じた。
一人の子は相手の心が知りたくてその人のいちばん好きな本を借りた。
一方でもうひとりの子は相手の「好きな本」のくだりで相手を惹こうとした。

昔、ある人に「好きな本は?」と言われ、その人も同じ作家の作品が好きだったので話が弾んだのを思い出した。舞台とか、アカペラユニットとか紹介して一緒に行き、一緒に「楽しい楽しい」と言ったのを思い出した。
その「ある人」とは、今の相方。

人生観を決めるくらいの本、純文学でもマンガでもラノベでも良いので、持っているといいことあるかもよ。

前作(本作品のもととなった小説)よりも、明らかに文章がこなれています。

出てくるかどうかわからないけど、次の作品も、楽しみにしてます。