3歳の子供がいる知り合いのお母さんから聞いた話なんだけどね。
夜中に子供が起きて「お母さんおしっこ」って言ったんだって。
珍しい事だったんだけど、「えらいねーよく自分で言えたねー。」って言って、
トイレに連れて行ったんだ。
寝室が二階だから一階に降りないとダメで、電気をつけたんだけど「まぶしいからいや」って言う。
みんなも夜トイレに起きた時に、急に強い光目に入ると目が痛いような感覚になるでしょ?
仕方ないからリビング兼キッチンの電気はつけずに、トイレの奥にある洗面所の電気もつけないで、トイレはつけないと出来ないからって言い聞かせてトイレの電気だけつけて、おしっこさせたんだ。
廊下の奥に洗面所があるんだけど、キッチンの方が近いから台所で洗えばいいかと思って手を洗わせたんだよね。
そこで子供が「喉が渇いた」って言うから、階段とトイレからの明かりを頼りに冷蔵庫から麦茶を出したんだけど、子供が急にトイレのドアを閉めたんだって。
お母さんは「まだ電気消すから開けててね」って言ったら開けたんだけど、また直ぐに閉めて、なんか不思議そうにその辺を見てるの。
それから何回か開けたりしめたりしたから、「どうしたの?」って聞いたら、戸と壁の間を指差して「おんな」って言ったんだって。
お母さんにはもちろん何も見えなかったけど、ゾッとして「そー。出て行ってもらわないと困るねー」とかなんとか言って、お茶を飲ませるとすぐに電気を消して、子供をだっこして寝室に戻ったんだって。
また寝かしつけようとしたんだけど、「だっこはいや!おんぶがいいの」とかよくわからない事でぐずりだして、しばらくの間ヌイグルミを並べ直したりしてからやっと寝たんだけど、お母さんは怖くなって眠れなくなっちゃったって。
後から考えたら、いつもは女の人を見ても「お姉さん」とか「おばあちゃん」とか「女の子」っていう子だから、「女」っていう言葉は敵意を含む呼び方だなって感じたんだって。
その子が見た女はどんな顔だったのかな?
おんぶが良かったのは、後ろを見なくても良いからだったんじゃないかな?
みんなも夜トイレに行く時は闇に目を凝らしてみてね。
なにか見えるかもしれないよ。