新川の実家にある、猫の額のごとき家庭菜園が収穫期になった。
茄子やマメ、シシトウ、大葉を天ぷらにして食べるのが毎年の楽しみである。


筆者はもっぱら天ツユでいただく。


「通は塩で食べる」
という意見もあるが、筆者は大根おろしたっぷりの天ツユが好きなのだ。文句あるか。


「ツユで食べるとどれも同じ味になる」
…それは貴方の味覚が鈍いだけ。
グラタンのエビがホタテと区別がつかない、と言うのと同じ。
まあ、塩が好きなら塩で食べればよろしい。
こんなのは嗜好の問題であって、「正しくは…」というような意見はナンセンスなんざんす。


「山の素材は山の、海の素材は海の塩を使うべき」
…もはや固定観念としか言えないこんな意見は、完全に無視したほうが良い。
山の幸に海の風味を加える、というのも1つの「料理」の考え方だと思うのだが。
ワカメとキュウリ、カツオと生姜。
同じように、山菜天ぷらに藻塩。


「天ぷらとごはんは同時に食べないのが正式」
…完全に天ぷら屋の売上向上策に騙されてる。
そもそも天ぷらなんて、江戸時代のジャンクフードなのに「正式」とか。うぷぷ。
エセ美食家が大言を吐く時代になったのだ。


かつて、戦地から家族に送った手紙に
「ちくしょう、うまい天ぷらが食いてえ」
と書いて死んでいった兵隊がいたそうである。

天ぷらは日本人のソウルフードなのだ!