会社始業前のひととき、窓辺の喫煙ルームで外を眺めながら一服するのが日課になった結果、その時間に会社の前を通る人々の顔ぶれを覚えてしまった。

その中でも印象的なのは、毎朝、両手に女の子二人の手を引き、胸に赤ん坊を紐で抱いて歩いてゆく、若い母親の姿。
一番大きな子で4才くらいか。
4才2才0才という可能性が高い。
毎朝同じ時間に、小さな子供3人を連れてここを通過するのだから、保育所へ向かっているらしい。
母親について歩く二人が、揃いのリュックを背負っているのも微笑ましい。お弁当でも入っていると思われる。
雨の日は、傘をさす母親の後を付いてゆく2つのピンク色の小さい傘。姉妹は傘だけではなく雨合羽もおそろいである。長靴のデザインも一緒。

つまり2番目の子の衣類は長女のおさがりではないのだ。
ということは、まだ母親に抱かれている3番目の子の性別は不明だが、近い将来歩くようになって衣類をあつらえるにあたっては、3人とも新調することになるだろう。

なかなか贅沢な話じゃないか。
というより無駄だ。
母親が大変そうだ、という感想は消えてしまった。

しかし、そんな経済的ゆとりがあるなら車で送ってあげればいいのに。
育児に追われ、免許取る暇が無いのか?
父親が理解の無い人かも知れないな。あるいは昨今急激に増加しているシングルマザーか?

…と、まあ想像たくましく妄想半分でよその家庭の事を慮っている私。

単に「子連れ」が羨ましかったりするのだが。