人生 | 解脱

人生

久しぶりにハイスタ弾いてたら楽しすぎてこんな時間に。
夜だからヘッドホン通してるが楽しい。立って弾くと弾きにくいけど数倍楽しい。ハイスタは大学入った頃かなりマジメに練習したんで異様に覚えてる。
その時はベースだったけどギターも練習してたんだぜ。グリーンデイも同じ頃やった。
生臭もこはオフスプリングをカバーしてた。その後一緒にブリンクとかもやった。
それから奴は消息を絶つ。

そして再会すると重度のキモオタに変貌を遂げていたのだった。俺を魔道に引きずり込みながらズブズブと沈んでいったのだ。
そこからは素晴らしき日々の始まりだ。迷いなど捨てさり楽しむだけ楽しんだ。

俺たちはアキバという小宇宙を二人で組んで探索しつくそうとした。

いつも引っかかっていた「なんか違う」という感覚は恐ろしく小さいものとなり、俺は生きている事を神に感謝した。生きていて良かったと思ったのははじめての事だ。

思えばあのときが人生の最高潮だったように思う。俺は凄まじいまでの希望を感じていた。

心は完全に満たされかつまだ見ぬ驚きに渇望し人生は輝きあらゆるエロゲーフロアは天国だった。おれからそれを奪ったのはなんだろう。なんだろう、と考えてみてもなんなのかは分からない。

とにかくあの頃とはだいぶ変わってしまったという事だ。変わりすぎた。俺の周りにいる人間も環境も何もかもが変わった。俺自身も変わってしまった。

俺は失われようとしている時に必死だった。あいつも必死だったと思う。あいつは失われると思いつつも、いつもどおりを保とうとした。なあに、ちょっとの間の辛抱だ、また元に戻れる。ちょっと変わるだけだ。そう思い込んでいた。俺もそう思っていた。完全にそう思っていたのだった。そうは行かなかった。

それでも俺は必死だった。あいつがいなくなってからも必死だった。保とうと色々やった。再び色褪せていく人生に対し激しく抵抗した。これに慣れてなるものかと。俺は保ってやるぞ。と。毎日死んだように生き、社会との適応をできるだけ拒もうとした。しかし慣れてしまった。

もう俺は部屋でエロゲーをやっているよりも飲み会の方が楽しくてしょうがないし外でリアル女子と遊ぶ方が楽しいのだ。

そしてあの「なんか違う」という感情はまた俺を支配し、惰性で生きる。今度の飲み会は13日だ。俺はまたギャアギャア騒ぎ、気になってる子の隣でぎこちなく会話する。しかしその子をモノにしたところで俺の人生は虚しいままだ。俺が本当に満たしたい部分が虚しいままだ。

俺はとうに色褪せている人生を対外的に充実させて見せる。おっと、今日は新作の発売日じゃないか、とか、ビッグサイト休暇を下さい、といった風にだ。皆は楽しそうで羨ましいという。俺も楽しかったらと思う。

本当は家に帰って寝たいだけだ。