DIY or Die
俺はパンクスだ。
パンクはDIYでなければならない。
DIYとは(do it yourself)の事だ。
つまり、自分の事は自分でやれ。
格好いいじゃないか。最高だ。
と言うわけで俺はどんなDIY的行為があるか頭を巡らしてみたのだが、特に思い当たるものが無い。
どうすればDIYになれるのか。
悶々と考える日々が続いた。
ある日、親戚と会った。
俺は親戚にどうやればDIYになれるかを聞いた。
親戚は俺について来い、とだけ言った。
1.付いていく
2.付いていかない
1.付いていく
俺は親戚について行く事にした。
「どこまで行くんだ?」
「もうすぐ着く。お前がまさかDIYなんて言い出すとはなあ」
「俺も成長したって事さ」
「本当にそうだな。着いたぞ」
目の前にはホームセンターがあった。
「(なんでホームセンターなんだ?)」
「(いや、そうだ、たぶんここでMA-1ジャケットを買うんだ)」
「(いや待てそれってどんなDIYだよ)」
「(ちょっと待て、頭を整理……)」
「ほら、こっちだぞ」
「はい?」
「ここでな、今は本棚を作ってるんだ。凄いだろ」
「お、おう」
「この本棚の熱い所はな、奥行きにある。奥行きが単行本サイズになってるんだ。そこら辺で売ってんのはみんな奥行き30センチはある。そんなに奥行き必要ないだろ?これなら場所も取らない。死蔵も防げる」
「凄いな」
「そうだ。自分の欲しいものを自分の手で作る。これぞDIY」
「そうだね(確かに根本は間違ってないが……いや、大事なのは精神じゃないか?)」
「お前もやってみるといいぜ。材料はここで買えばいい!」
「おう!レッツDIY!」
俺はDIY(日曜大工)的行為に全週末を注ぎ込んだ。
凄いのは常連のオヤジたちだ。
並みならぬ技術。
こだわり。
俺はDIY(日曜大工)的行為完全に魅せられていった。
-PUNK IS DEAD-
2.付いていかない
「いや、やめとく」
「何でだよ」
「何か嫌な予感がする。というか人に聞くのが間違ってた」
「そうか。残念だ」
「困ったらまた教えてくれよ」
「ああ」
親戚は帰っていった。
「さて、ここからどうするかだが……」
「兄貴、どうしたんだ?」
「おお、次男、お前はDIYってしってるか?」
「ああ、知ってるぜ」
「どうすればできるかもか?」
「勿論だ」
「お前はどうやってるんだ?教えてくれ」
「明日、俺についてこれば嫌でもわかるさ」
1.ついていく
2.ついていかない
1.付いていく
「付いていこう」
「分かった。でも明日朝4時起きだぞ?」
「なんでそんなに早い」
「始発だからだ」
「ほう、気合が入っているな。楽しみだ」
「俺も楽しみだよ。即戦力を期待しているからな」
「(?)おう」
―翌日
「暑い!臭い!何このストレス!」
「我慢するんだ」
「俺は我慢比べに来たんじゃねえ!てかこの電車何でこんなに混んでるんだ!」
「迷惑だからわめくな」
「こんなの聞いてないぞ!アホ!」
「次、降りるぞ。はぐれるなよ新兵。俺のケツにしっかりしがみ付いておけ」
「はぐれたらまずいと言う事は分かる」
「よし!降車!」
「うごおあうおおお!」
「わめくなカス。みっともない」
「貴様○してやる!」
「ほれ、あそこが待機列だぞ。もうすぐだ、頑張れ」
「もう、少しも嫌だ!」
「もうちょっとでDIYが手に取るように理解できるんだ、我慢しろ」
「……わかった。腹が減った。メシを食いに行こう」
「ほれ」
「なんだこれ、カロ○ーメイトじゃねーか。これがどうした」
「それがメシだ。昼までそれで持たせるんだ」
「こんなもんメシと言えるかよ?!」
「ブルジョアジーめ。メシなんか食う暇あったら買え。メシなんか買う金あったらさらに買え。メシなんか入れておくスペースあるならもっと詰めろ」
「もうさっきから何が何だか全く分からん」
「では今から作戦の説明をする」
「おお?ついにDIY的行為か?」
「兄貴は東123のサークルだ。とにかく列に並べ。外に待機列作ってる所多いから、とりあえず外の列見つけたら並んどけ。買ったらまた違う列並ぶ。分かったな?俺は東456担当だ。西12もカバーする」
「意味が分からん。もう一回」
「二度は言わない」
「おおい!」
「とにかく、外に出て列に並ぶ、買う、並ぶ、を繰り返せばOK」
「本当にそれでDIYが?」
「本当だ。この苦行を乗り越えて皆DIYの境地に達するのだ」
「よし!分かったぞ」
「ここが東123か。外に出る、と……出れねえっすよこれ。人多すぎ。おお、しかしこれはまた凄い数のサークルだな。どうも」
「どうも。新刊いかがっすか~?」
「何々、涼○ハルヒの誘惑?ほう、これはまた……。自分で作ったんですか?」
「そうです。毎回必死ですよ。締め切りに追われてもう」
「周りのサークルもみんな自分で作っているのですか?」
「大体そうじゃないかと思いますけどね~」
「それはすごい!これが本物のDIYだ!」
「え……えっと?」
「あなた、ありがとう。俺は理解したよ!した臭いよ!」
「ハ、ハア」
「では!」
気がついたら俺は両手一杯に同人誌(エロ本)を抱えていた。
「俺も次からはこれをやるぜ!」
-PUNK IS DEAD
2.ついていかない
「やめておく」
「そうか?」
「朝4時起きとか。就寝時間だっての」
「ふ、寝ないのさ……」
「……」
次男の表情は既に恍惚としていた。
危ないクスリでもやってるのではないだろうか。
「うーんDIYはどこに転がっているんだ……」
「どうしたのお兄ちゃん?」
「ああ妹よ、DIYって知っているか?」
「なあにそれ?」
「要は人任せにしないで自分の事は自分でやるって事だけど……」
「ふうん。あ!それなら私知ってるよ?」
「お?本当か」
「うんうん!私の部屋に来てみてよ!見せてあげる!」
「へえ?自宅レベルで出来ちゃう事なの?(てか部屋に入れてくれんの?)」
「うんうん!」
1.ついていく
2.ついていかない
1.ついていく
「ほ、ほう、ここが……」
「モノを勝手に触っちゃダメだよ!」
「触らない触らない」
「ならいいんだけど!」
妹好感度<1
「で、これがその……何だっけ!?」
「DIY」
「そう!DIYだよ!」
「えーと、それ、携帯電話ですよね?」
「そうだよ!全部自分でやったんだよ!」
「ええ?それはスゴイな!お兄ちゃんびっくりだよ!」
「スゴイでしょ?」
「スゴイスゴイ」
「お兄ちゃんもやってみる?」
「おーし!お兄ちゃんもチャレンジししちゃうぞ!」
俺は妹に道具を借り、ちまちまと携帯電話の装飾に勤しむ。
「……」
いいんだ。どうせ暇なんだ。
「デコ電はDIYだ!」
俺はギャル文化に目覚めた!
PUNK IS DEAD
妹好感度>1
ハナから好感度を上げる機会がないため未実装です。
2.ついていかない
「(いや、ここでついていってしまっては、妹の部屋のみに気を取られあらぬ方向へと進んでしまうに違いない)」
「どうしたの?」
「ん?考え事さ。やっぱお兄ちゃんいいや。また今度ね」
「え~!?」
「ほら、マルボロあげるから」
「え~!!?」
「しょうがないなあ。ほらダンヒル」
「やった~!!」
「はははじゃあまたね(こわいよお)」
「うん!」
「言葉遣いは昔のままなんだが行動と容姿がな……さて妹のことは忘却してDIYだ」
そして自室に戻る。
「ウォーリーでも探すかな」
……
「……」
「……ふーむ」
外からは遠くで子供たちが遊ぶ声が聞こえる。平和だ。
平和すぎる昼下がりだ。
「……飽きた」
「冷蔵庫でも漁るか……」
冷蔵庫には食パン一斤があるのみであった。
焼くのがめんどくさいのでそのまま一気に食う。
「ゲフ」
「水だ水」
けだるい。
俺はそのまま何日も同じように過ごした。
「……!?」
「……これってもしかしてニーt……」
-PUNK IS NOT DEAD!- (トゥルーエンド)