しぶといバンド | 解脱

しぶといバンド

さて、もう三ヶ月バンドに出ていません。というか、言いだしっぺのベースが様々な理由をつけ休みがちになり、ついには病気を理由に脱退表明を出したそうです(詳しくは知らない)。言いだしっぺのベースに代わって普段とりなれていないリーダーシップを発揮していたのがドラマー。メンバーの予定確認から練習日の設定まで全部やっていました。俺?俺はスタジオの予約を取っていましたよ。それすら満足にできていなかった気もしますが。

そもそもなぜこのバンドが組まれたのかと言う話になりますと、「キラ☆キラ」というエロゲーが発端であります。このエロゲーはバンドモノでして、瀬戸口廉也氏がシナリオ担当でした。絵師は我らが飲んだくれ絵師の片倉氏。文句一つ呟くことなく全てプレイし終えた俺は、これを俺もやるぜ、へへへ、とその場の勢いのみで募集を探し、めぐり合ったのが今のバンドの人たちです。要するにコピバンです。良いじゃないですか、コピバンでも。要は魂ですよ!

それで最初は飲みでした。ベースはやる気に満ち溢れ、くだんのドラマーはあまり言語を発していませんでした。ベースは自分の音楽遍歴を長々と喋った後、俺たちにも同様の語りをかますようにけしかけてきました。俺は回避しましたよ。だってロクな活動もせずスタジオでのジャムセッションに快楽を見出していた、なんて言えないじゃないですか。ライブもジャムセッションでしたよ。というか、俺たちはジャムセッションが売りなんだよ!型にはめないでくれよ!などと言ったらコピバンなんてすぐにクビになってしまいそうです。

そして俺たちはスタジオに入って練習をしたんですが、ズタボロです。当たり前です。ロクに練習もせず前日は仕事に疲れ飲んだくれ、目を覚ましたのは三十分前のことですから。俺のあまりのやる気の無さにみんな多少驚いたようですが、それごときで「クビ」とか言うほど切羽詰った感じも無く、俺もダラダラと練習して「まちがっちった、えへへ」という感じでそれは適当にやっていたわけです。

そして三回目にしてベースは来なくなりました。最初、溢れるほどあったやる気と饒舌さは消えうせ、病気がちになり、寝坊をかますようになり、代わってドラマーがバンドを牽引せざるを得ない状況です。もう、言いだしっぺがやる気無いんだからどうしようもねえなあ、と俺も自然消滅をただ待っていたわけですが、この期に及んでドラマーが放った一文は「今のバンドは活動休止にして、残った三人で違うバンドをやろうぜ」と言うものでした。

俺はかつてここまで粘りのある人間に出会った事が無かったので多少感銘を受け、「うん、やろうぜ」と言うような事を言ったように思います。なんというしぶとさ。沈みかかったドロブネすらも、まだ浮かんでるぜ、だから漕げるぜ、と言うようなしぶとさ。

そして俺は未だバンドをやっているのです。信じられますか?俺が二人いたとしたらこの状況下では即終わっています。俺と違う人間だからこそ続いているのです。