Debussyの思い出とエロゲのBGMについて | 解脱

Debussyの思い出とエロゲのBGMについて

 Debussyを初めて聴いたのは10歳の頃だった。俺はその頃南の島に住んでいた。本当だ。俺たちガキどもはスポーツブランドに夢中だった。あれだ、アディダスとかナイキとか。プーマとか。俺はニューバランスの黒が欲しくてたまらなかった。で母親に頼んでみたら買ってもらえた。今から考えれば安上がりなガキだったと思う。
 話を戻そう。どんどん話が脱線してゆくので注意が必要だ。俺は南の島に住んでいた。本当の話だ。親父の都合という奴だ。島に行くフェリーの中、二等客室では選別に貰った小説を読んですごしていた。テレビでは『グレムリン』がやっていた。小説の内容はずばりフェリー内で起こる殺人事件で、これをくれたK君のおかあさんは中々良いセンスを持っていらっしゃる。と今思った。
 そして島に着くまで薄暗いフェリーの中で過ごした。たまに海を見にも出て行った。俺はなんで自分がここにいてどこに向かっているかという事に全く関心が無かった。全く聞いたことも無いような土地に引っ越すと両親に告げられ、ある朝車に乗ると友達が見送りに来てくれて、じゃあね、とそれだけの話だ。毎度繰り返すとこちらも事務的になる。でも最初は大泣きしたな。
 そしてフェリーの旅が終わると、島の民宿に泊まった。酷い宿だった。手作りのホウ酸団子があちこちに設置され、テレビはなし。まさに寝るだけ。
 確かDebussyの話だったかな。たまたま自宅に『珠玉のピアノ名曲集』というアルバムがあって、それをプレイヤーで聴いたのが始まりだおそらく親父のコレクションだろう。親父は他にもダイアナ・ロス・アンド・ザ・シュープリームスとかも好きだった。なんてったって奴はベトナム戦争世代だ。あの頃の自衛隊は米軍の装備だったらしい。親父はガーランドやBAR、四連装対空M2重機関銃までも使ったことがあると言っていた。地上に向けて撃った事もあるそうだ。ものすごい威力だったと言っていた。
 親父は俺たちをよく基地に連れて行った。そこには昔のF-86が展示されている。それを見ると、昔流行っていた基地内での怪談をよく俺に語った。F-86の主翼がちょうど人間の首の位置という話だ。それで夜中の飛行場で首の無い黒人兵士が歩いてるのを見るんだと。
  話がどんどんずれていく。俺が本当に書きたいのはDebussyの事じゃないのかもしれない。そう、親父のコレクションだったCDの話だった。上の方を読んで思い出した。当時はSPEEDとかが流行っていたな。大人気だった。例に漏れず俺もSMAPとかが好きだった。みんなCDのシングルが欲しくてたまらなかった。しかし高い。とても買えない。当時は千円札なぞ所有した事も無かった。俺は諦めてせめて家にあるCDでも聞いて気を紛らわせようとした。そこにあったのが例のCDである。
 そう、思い出した、そもそもなぜDebussyの事を書こうかと思ったのかという事だ。二年前、俺はあるエロゲーに出会った。「つよきす~mighty heart~」というエロゲだ。あれをやっていた一週間は人生でも最良の時間の一つに数えられる。この世にこんな面白い物があったのか!と思った。
 その「つよきす」のBGMのピアノ曲がDebussyぽい。あの儚げでそして幻想的な雰囲気がなんとも似ている(良く考えるとエロゲにピッタリだ)。 また、Hシーンの曲『ピンクタイム』はBenny Goodmanっぽい。『ムーングロウ』のテンポを遅くした感じだ。
 Debussyを聞くと初夏の夜や日陰をイメージするが、「つよきす」のBGMは初夏の夕暮れ、といった感じだ。結局エロゲの話になったが、エロゲのBGMはレベルが高いのもある、という事である。あかべぇの「車輪の国」のBGMも心震えただろう?これらはほとんどの所、I've Soundの力による所が大きい。
 しかし他にも素晴らしいメイカーはある。Funczion Soundsである。C†CのBGMはかなり良かったが、全体的にまとまりが良すぎて飽きてくるのが難点だ(何を言ってやがるんだ俺は)。儚い雰囲気の曲が多く、聞き入ってしまう。公園で一人聞くのが合っている。
 「最果てのイマ」のBGMはエリク・サティの楽曲を数曲使っているが、オリジナルの曲もレベルが高い。こちらはけだるい。無気力なニヒリズムに溢れている。部屋で布団を被って聞くのが合っている。
 そして、俺が良く聞くDebussyの曲は『プレリュード』である。ベルガマスク組曲の一曲目。2'56あたりが特に良い。ちなみに三曲目は『月の光』である。こっちは聞きすぎて飽きた。だが名曲なのは変わりない。『亜麻色の髪の乙女』は『前奏曲集第一巻』の八曲目だ。この曲は初めて聴いた時衝撃を受けた。ここまで美しいと思える曲をそれ以前に聴いたことが無かった。美しすぎて、そうそこら中で聞けるものではない。時間を忘れるからだ。
 いや、ちょっとそれは言いすぎだった。
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