ハードコアパンクとメタル | 解脱

ハードコアパンクとメタル

 ハードコアパンクバンドは、同じエクストリーム・ミュージックであるメタルとの差別化のために、下手さを武器にしているのだろうか?

 両者の違いは、音楽の捉え方の違いにある、と思う。メタルファンは、パンクをヘタクソ、だとか聴く価値がない、と言っているがそれは楽器の技術や曲の完成度から見た場合の話である。ハードコアパンクは、音楽を技術的な面よりも感覚的な面で追求しているもので、「なんか知らないけど、聴いてるとテンションが上がってくる」とか「なんだかわからないけど怒っているのがわかる」という風にリスナーに向けて衝動を感覚的に伝えているものである。そこがメタルとの境目で、ハードコアバンドがメタル風の音になったとしても、やけっぱちさや、がむしゃらさ、が前面に出ていればそれはハードコア・パンクと呼ばれる。はず。しかし技術が上達すると、ある程度プロ意識が芽生えてしまい、ただがむしゃらに突き進んでいく事が出来なくなる場合が多い。必死で楽器を操り、ひたすら「やってやるんだ!」という感情に突き動かされている時が、最も何かが人に伝わる時なのであろう。そして多くのハードコアバンドがメタル化の道を歩み、ファンに相手にされなくなる。長くやっていると、どうしても技術は上達するから。メタルとのクロスオーヴァーを好む人もいるが、私はよくわからない。


 しかし、スウェーデンの「Anti Cimex」というバンドは、後期にモーターヘッド化したにも拘わらず、素晴らしい。また、AC/DC化した「Gang Green」、突如ルックスも音もメタル化したまま帰って来なかった「English Dogs」。そして、最初からメタルをやりたかったんだろうが、下手すぎてハードコアに分類される、多くのかわいそうなバンド達。ハードコアの生みの親とされる「Discharge」は世界中にフリークスがいるが、しばらくしてメタル化し、完全にファンに見限られた。しかし最近シングルを出し、評判はなかなかである。「~charge」や「Dis~」という名前のバンドはほとんどがDischargeスタイルのバンドで、Disコア、やDビートという風に呼ばれる。Dはもちろん「D」ischargeのDである。特徴はシンプルに繰り返すリフと、このスタイル特有のドラムプレイで、聴けばすぐにわかる。最近は、テクノミュージックとの共通点(繰り返すリフ、というスタイル)を指摘する声もある。

 他にも、速さを追求したスラッシュ・ハードコア、さらなる速さのみを追求したファスト・コア、もう速過ぎて全部同じに聞こえるグラインド・コア(というかハードコアという音楽自体、最初は全部同じに聞こえる金太郎飴状態だが。)などがある。私が聴くのはファスト・コアまでである。ファストやグラインドで演奏されるドラム・スタイルは「ブラスト・ビート」と呼ばれ、これができれば大抵のバンドでごまかしが利く。はず。

 理屈を長々とこねくり回したが、夢中になれる物があれば、それがヘタクソだろうが格好だけだろうがいいんだろう。しかし難癖をつけて来る人間は必ず存在するので、そういった連中を言い込める為には理屈が必要かな?と思う・・・・。