今回もAさんの話しの続きです。
1996年頃と思います。Aさんの一言で、「もうこの人に命を預けてもいい」
くらいの決心を私にさせてくれた出来事がありました。

アフターマーケットのビジネスで、Aバックスという自動車部品などを売っている
カーショップと取引を始めることができ、ドイツへの製品の発注、国内品仕入れ品の
発注・納品管理などを社内規定のウィンドウズパソコンですることになりました。
しかしながら、ウインドウズパソコンではどうしても動かない管理ソフトがあり、
担当の部下達が、「こんな会社のパソコンでは、受発注・納品管理ができません」
というので、会社に内緒で書類をいくつかに分け、こっそりとマックのパソコンを
2台購入したのでした。
でも、さすがにマックは目立つし、内緒で購入したことがバレバレで、ついには
副事業部長にバレてしまいました。
その副事業部長は、私に「始末書を書け!」というのです。
しかも人事預かりにするというのです。
さすがにこれはまずいことになったと、へたしたら首かなと、首を洗って何日か
待っていました。そしてついには、事業部長であり、人事も統括する副社長の
Aさんから呼び出しを受けました。
もうさすがに、「俺もこれで会社人生は終わりか」と思いながら、彼の部屋まで行きました。
部屋に入るなり、いきなり「こらっ、お前はなんてことをしたんだ!これは完全に会社の
ルール違反だ、わかっているのかっ?!」
と、はなから怒鳴りつけられました。ボディービルの全国大会で2位になった人ですから、
怖いのなんの。それにもう言い訳のしようがありませんから、
「責任を取ってお前を首にする!」の言葉を待っていました。が、しばしの沈黙が・・・
「まあ、お前さん(口癖です)も反省しているだろうし、お金をちょろまかした訳ではないようだ。
これは短期的にはお前さんにとってはマイナスだが、中長期的にはお前さんがいなくなっては会社に
とってマイナスになる。よってこの始末書は無かったことにする」と、
ビリビリと始末書を破り、近くのゴミ箱に、「ぽいっ」と捨ててしまったのです。
「よし、これで終わりだ。何してる?席に帰って仕事しろ!頑張れよ!」と、
笑顔で握手を求められ、かえって励まされたのです。
遠くから見ていた部下達は、「大丈夫だったんですか?」、「うん、そのようだ」、
「頑張れと、励まされたよ」と言ったら、みんな涙顔になりました。
私も涙です。「もう、Aさんに命を預けてもいい」くらいの感動でした。
「Aさん格好いい!」です。最高の上司といっても過言ではありません。
浪花節ではありませんが、こんな上司が当時はいたのです。
今こんな上司はいるのでしょうか?
これも一つの上司象と思っていただければ幸いです。