新潟合宿(下) | .

新潟合宿(下)

「ブルベ戦記」 第264
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11月初旬の連休中、所属しているR(ランドヌ)東京スタッフのうち有志ら6人で、「新潟合宿」と称して2泊3日の輪行&ツーリングの旅に出ました。
(中)のつづき


新潟平野の東に位置する新発田市。その住宅地と山沿いの赤谷との間をかつて結んでいた旧国鉄・赤谷線跡のサイクリングロードを進みます。


天気予報では午後から下り坂となっていますが、お昼前なので、まだ日がさしています。


がたごと揺すられながらの未舗装路であるところが、趣きがあっていいですね。
こういう道でも、ロードバイクは走れてしまいます。



よく、ロードバイクは、自転車の中では幅が極端に細いタイヤなので、「パンクしないのですか?」と聞かれますが、「タイヤが丈夫なので、パンクしないんです」といつも返しています。

これはこれで、ほぼ正解ですよね。
特に、ブルベでよく使われるエンデュランス系のタイヤは、非貫通性能は高く、エア圧さえきちんと管理していれば、リム打ちパンクもしない。それでいて、軽い(でも、値段はちょっと高いw)。



その値段でさえ、私が現在使っているパナレーサーのRACE D(duro)Evo2ならば、ネット通販では\5000をはるかに切っています。



※このタイヤ、コンチネンタルやマヴィック、ミシュランといった、いくつかクリンチャータイヤを使ってきましたが、価格を含めたトータル面で秀逸です。

RACE Dは改良型Evo2になり、さらに「耐パンク強化レーシングタイヤ」として性能を謳っています。
これに履き替えた際、転がりの良さ(転がり抵抗の面ではなく、おそらくパナレーサー共通の、製造品質によるタイヤの真円性の高さでは)、振動吸収性の良さ(タイヤの構造から?)に驚かされました。

これだけ耐久性を兼ね備えても、重くはない(230g)。なので峠へのアタックでも全然問題なし。
ブルベでの様々な局面での使用を考慮に入れても、幅は23Cのままでもいけるほど。

すでにお使いの方も多いでしょうが、ブルベ装備としておすすめしたいタイヤのひとつです。



と、ちょっとタイヤ話に脱線してしまいました(笑)

一行は脱線しないまま、まさに列車のように淡々と、まっすぐ廃線跡を進みます。線形は山間に向けて、平野をまっすぐに貫いています。途中、少しだけ舗装路もありますが、基本的には荒れた路面がつづきます。


市街地のはずれまで来たところに、五十公野(いじみの)駅跡があります。
ホーム跡の隣には、鉄道貨物用と思われる古い倉庫が残されていました。
住宅地の向こうの丘の上には、だれでも知っている名前の切り餅の食品工場が見えます。
さすが米どころです。


水田地帯に出ました。
サイクリングロードはひたすらまっすぐ。
天気予報通り、だんだん空は曇ってきました。


また駅跡が。
繰り返しますが、こういう風に廃線跡を残しているなんて、なんて粋なんでしょう。
そして静かな秋の季節。沿線風景とあいまって、ロマンチックにも感じられます。
そういう中をゆっくりと自転車で、自らの足で、進んでゆく。
至福ですね。


山間が近づき、若干の勾配を感じながらも、それでも、坂に弱い鉄道がかつて走った道ですから、我々も平たんに近い感覚で進めます。


時おり、こうして林の中に入ります。
落ち葉を踏みしめて。



しかし、こんなに楽しい、楽な行程の「合宿」はあるんでしょうか。
あるんです(笑)。
(こうやって、のんびり走って、このまま合宿は終わりだろうか)
ふとそんな思いにもとらわれましたが、
(なんでも坂ばかりのぼっていればいいってもんじゃないし)と、打ち消しました。

そんなことを思いながら走っていましたが、、、、、。




始点から14kmほど走り、赤谷駅跡の終点が近づいてきて、Wさんが突如、スパートをかけて飛び出しました!「青春」してます!
でも、疲れるのを嫌ってか?だれもついていこうとしないのです(笑)。


そしてサイクリングロードの終点、赤谷駅跡に到着です。


ちょっとここでトイレ休憩。
さあ、ここからどうやって、ここよりも南の方角の、山をひとつ隔てた温泉地にある、昼食を予約している釜飯のお店まで行くか、です。


12:29 「こっちが近道だから」と引率のWさん。
一行、その言葉を信頼してw、この「林道新発田南部線」に入っていきました。


林道ですから。
まあ、山道ですね。しかし、、、、


12:45 え?これ、なかなかの坂ではないですか(汗)

なんと、これは立派な峠でした。
しかし、地図には、峠とは記されていませんでした。
(等高線みれば、なんとなく標高差は分かるのですが)
名無し峠の横綱かもw

最近に全通した、比較的新しい林道だからか、ルートラボには道が出てきません。
だから合宿前、ご丁寧にルートラボで行程を示してくれたWさんは、この林道区間を「直線モード」で引いていましたw

という訳で、序盤の5~7%勾配から、さらに10%勾配が連続する坂に入ってから、一行は次々とばらけていきます。


景色がどんどんパノラミックに変わってゆきます。
それはそうでしょう。この林道新発田南部線、6kmで400m近く登る道だったのですから(汗)。

峠のピークは二段階のように現れてきて、(越えた)と思って左カーブを曲がったら、その先にまた10%坂、という、なかなかの奥行。ガーミンにはそもそもこの林道が出てこないので、いつものようなピーク表示もありません。

そしてピークにはしっかりギャラリーまでにいて、地元のサイクリストやクルマなどの行楽客が、新潟平野の眺めを楽しんでいました。
これはほんと、普通の峠じゃないですか。

本当のピークを越えて、ようやく下り。
勾配があるので、かなりスピードが出ます。
ブラインドコーナー+時おり道を横切る側溝の金属網が濡れている+下からスピードを上げてクルマがたまに登ってくる=いろいろ危ない

それにしても、この林道を下り終えてから、釜飯の予約時間(13:00)に間に合うのか、が心配になってきました。


13:17 無事、下り終えました。
が、もう予約時間の13:00は過ぎています(汗)


13:21 続いてすぐ、チタン製マウンテンバイクのKさんが到着。
やはり私と同じ心配をしています。後続を待ちます。


13:36 次から次へとメンバーが降りてきましたが、予約を取り仕切るWさんがまだ。
と、やきもきしていたら、すぐに来ました!来ました!
釜飯店には途中で電話して14:00に変更してもらったそうです。

だったら、急いで行きましょう、というところで、ぱらぱら雨が降ってきました。


13:45 釜飯店に急行します。



店に到着とともに土砂降り。セーフ。
では、いただきま~す♪
本格釜めしの店 五頭の山茂登


そしてこの後、2日目の夜はそこからすぐ近くの、Wさんのご実家に泊まらせていただきました。
ありがとうございました。


合宿3日目。
前日の、あの林道新発田南部線が「ラスボス」だった、ということで、
この日も雨模様でもあり、自転車はもうお仕舞に。

まず早朝、起きられた人限定でw、泊まったこの町(新潟県阿賀野市水原)にある観光地、瓢湖に飛来している白鳥を見に行きます。



ただただ、みとれるばかり。
なんという数、なんというダイナミックさ。
この飛翔を静止画で伝えるのは難しいです。とにかくみていて面白い。


続いて、この近辺の名湯、五頭温泉郷のひとつ、出湯温泉に案内してもらいます。


近所の人たちが気持ちよさそうに朝風呂に入っています。
休日の、のどかな朝。


そして温泉郷のもうひとつの温泉地、村杉温泉に移動して、豆腐をいただきます。



という訳で、新潟合宿はエンディング。

私は夕方に用があるので、先に帰京することにします。
水原の駅までクルマで送ってもらいます。そこから輪行。


新津で信越線に乗り換えです。


長岡からは上越新幹線。


とても楽しかったサイクリングの新潟合宿。
また機会あれば、ぜひやりましょう!

<markun 走行記録集>


  
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「ブルベはフランス語で『認定』を意味します。ブルベには様々なものがありますが、オダックス・ジャパン(AJ)が統括する日本でのブルベはBRMといいます。BRMは規定の距離を規定の条件で完走すると認定される長距離サイクリングです」

「同じ年に200km、300km、400km、600kmを認定された人はシューペル・ランドヌール (SR。英語ではスーパーランドナー)として讃えられます」

「BRMの最高峰として位置づけられているのが4年に1度、ACP(オダックス・クラブ・パリジャン) が開催するパリ~ブレスト~パリ ランドヌール(PBP)=1200km」

いずれもAudaxJapan(オダックスジャパン)HPより