遠い春
「ブルベ記」第26話
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いつになったらブルベを走れるんだろうか。
いろんなことが複合的に起きていて、日々の生活さえままならない。
ああ、平穏な日常生活が恋しい。
とにかく異常な日々です。
スーパーやコンビニから牛乳やパンが消えてしまうことなんてなかったし、
ガソリンが手に入らない、なんてこともこれまでなかった。
計画(=実態は無計画だったかも)停電では、うちの区は何グループに入るんだろう、と未明までパンクしている東電のHPにトライし続けた、なんてことは初めてだったし、
電話が不通で、「明日、電車は動くんですか」なんて、夜中にわざわざ駅に聞きに行ったのも初めてだった。
都内は大規模停電を防ぐために電車の本数が減るから、仕事は止めて帰宅してください、なんて会社に言われたこともなかったし、
停電したら大変だから、早く帰宅してキャンプ用のコールマンのLEDランタンを出しておかないとなんて、大混雑する夕方の駅のホームで考えたことも初めてだった。
原発や地震のニュースが気になってずっと一日中テレビをつけておいたり、外出先でラジオのイヤホンを耳につけっぱなしにすることもなかったし、
もし万が一、原発が炉心火災を起こしたらどうやって逃げようか、なんて地図を眺めたこともなかった。
休校になった子供たちが羽田から空路、妻の実家に「疎開」し、家に自分ひとりきり、なんてことも初めてだったし、
子供部屋の窓のシャッターを降ろしたのも、自宅を建てて以来、初めてだった。
備蓄用で風呂に水をいっぱいためたのも初めてだったし、
余震ばかりがあまりに続くので、いつもなんとなく頭のあたりで揺れているような錯覚を覚えたのも初めてだった。
とにかく、平穏な日常生活が恋しい。そして早く、ブルベを走ってみたい。
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