携帯をからは、Tさんからの返事は聞こえない。
私は、勇気を振り絞って、もう一度告げた。
「別れてほしいんです。もう、解放して下さい。」
やはり、Tさんからの返事は帰って来ない。
それでも、私は、待った。
「それは、出来ない。お前が俺から離れられる時は、俺が死んだ時か、お前が死んだ時だけだ。」
それだけ言うと、Tさんは電話を切った。
私は、どうして、どうして・・・そう呟きながら震えた。
怖くて、怖くて、一晩中眠れなかった。
次の朝、父に話した。
「すぐに警察に行こう。」
話を聞き終えると、父は、そう言い、仕度を始めた。
警察になんて行ったら、絶対仕返しをされる。
私だけじゃなくて、父も母も危険な目に合わせる。
私は、警察に行くのはちょっと待ってもらい、Tさんと話し合って来たい、そう言った。
父も母も、反対した。
私だって、行きたくなかった。
でも、このまま、同じ事を繰り返すのは嫌だった。
父には、戻ってくる時間を告げ、もし、その時間に戻らなかったり、連絡が途絶えたら、その時は警察に行って欲しい、そうお願いした。
「一緒に行く。」
父は、そう言ってくれた。
一人じゃなきゃ、逆に危ないから、断った。
私は、Tさんに電話して、今からマンションへ行く事だけ告げ、電話を切った。
直接会って話し合う、そう自分で決めたのに、すごく怖かった。