うまく誤魔化そうと思えば思うほど、言葉が出てこない。

何か言わなきゃ・・・

焦りと不安の中で押しつぶされそうだった。

ボイスレコーダーでどれだけの録音が出来たのだろう?

私はカケに出た。

「何、それ?私、別に悪い事なんて何もしてないよ。」

Tさんの顔が、あれ?って感じに見えた。

「私の事、まだ疑ってたんだ・・・そんなに疑われてるのなら出て行くしかないね・・・別れて。」

そう言ったら、Tさんの態度は激変した。

「ごめん、最近お前の様子がおかしい気がして・・・」

「体調だって思うようにならなくて戸惑っていたのに、こんな事されるなんて・・・私、もう出ていく。」

そう言って、止められる前に部屋を飛び出した。

後は、走って走って、ひたすら走った。

下腹部が痛い。

でも、走り続けるしかない。

すごく遠くまで走ったつもりだったけれど、実際はそこまで遠くまで走ってはいなかった。

とりあえず、安全な場所へ行こう。

タクシーに乗って行き先を告げた。