Sさんが、私に気がついた。

気がついたら、抱きしめられていた。

キスをされ、胸を弄られ、服を脱がされていく。

Tさんでもない。

K君でもない。

昔の男に抱かれている。

まるで、夢の中での出来事のようだった。

私の喘ぎ声も、Sさんの荒い息も。

部屋の中の情事の匂いも。

私の感じるところを的確に責めてくる。

私達だけ、昔に戻ったみたいだった。

私は、逃げるために、Sさんを利用したのかもしれない。

Sさんも、快楽だけの為に、私を利用したのかもしれない。

朝になったら、お互い後悔するかもしれない。

燻った身体の奥の焔を消すためだけの為に、お互いを貪るようにセックスをした。

全てが終わっても、まだ夢の中にいるようだった。

繋がれたままの手。

裸のまま、抱き合い眠る。

全てが昔のまま。

どうか、このまま、朝が来ません様に・・・

そう思って、眠りについた。