寒くて目が覚めた。
左手首からは、まだ血が出ていた。
だけれど、私は死んでなかった。
K君は、戻って来ていなかった。
バスルームを出て、濡れた身体のまま、服を着て、外に出た。
死ぬ事も出来ない、行く場所も無い。
私は、Tさんのマンションへ向かった。
インターホンを鳴らすと、Tさんが出てきた。
Tさんは、私の左手を見て、すぐにタオルで止血して病院へ向かった。
Tさんは、車を運転しながら、必死に話し掛けてきた。
私には、もう、応える気力は無かった。
病院へ着いた。
Tさんは、予め連絡していたみたいで、すぐに診察が始まった。
傷は浅く、何針か縫っただけだった。
痛み止めや、化膿止め等を出してもらい、Tさんのマンションへ戻った。
Tさんは、私をベットに寝かせ、右手を握った。
私は、そのまま、眠った。
Tさんの声で目が覚めた。
Tさんは、私の携帯で誰かと話していた。
私が起きたのに、気がつくと携帯を切った。
そして、K君から電話が来た事を聞かされた。
部屋に戻ったK君は、私が居なかったので部屋中を探した。
バスルームでカミソリと私の血痕を見つけ、探していたと言う。
今から、Tさんのマンションへ迎えに来る、そう言ったと、Tさんから聞かされた。
Tさんは、今日は無理だと伝えた、と言った。
私は、無言のままだった。
そして、また眠った。
Tさんは、会社を休み、私の看病をした。