私はさつま芋が好きだ。
友人に、「markikoってほんと芋ねーちゃんだよね。」と言われたことすらある。
言われた時は一瞬凍った。
「石焼き芋」
なんて郷愁をそそる響きなんだろう。
その昔、まだ東京に住んでいた子供の頃、
心細くお留守番をしていた私に
母が石焼き芋を買って帰ってくれたことがあった。
そのおいしかったこと。
その味が忘れられず、それから何度か石焼き芋にトライしたが、
あの時の石焼き芋ほどにはおいしくなく、
「あの石焼き芋屋さんは凄腕だったのか」とか、
「東京の石焼き芋やさんはレベルが高いのか」とか
そんなことを考えながら青春時代を過ごした。
もう少し大人になった今、
そのほくほくした甘さと一緒に思い出すのは、
母が帰ってきたという安心感と、
お芋からふわふわと立ちあがる湯気と、
そして黄金色のお芋の優しい色。
さつま芋は幸福の味がする。
さて、というわけで今日はさつま芋のお話。
みなさんは、「丸干し芋」をご存じか。
これ
↓

これは芋をまるまる干し芋にしているという、干し芋界の常識を覆す一品である。
アナログ人間の私、ネットショッピングなんて一生縁がないと思っていたのだが、
この「丸干し干し芋」をネットでたまたま発見し(暇つぶしに「干し芋」を検索していた)、
あらがえぬその魅力に数日悩まされた末、えいや!と購入。
これもさつま芋への情熱のなせる技かと、自分の大胆さに驚いた。
届いた時にあまりの嬉しさに小躍りしたのも、今となっては素敵な想い出である。
この「丸干し干し芋」、電子レンジでチンしたら、なんとびっくり
いきなり「石焼き芋」レベルのおいしさなのである。
それも、あの想い出の「東京ほかほか石焼き芋」にかなり近い感じで。
自他共に認める芋好きだという方には、是非試してもらいたい一品である。
そんな芋姉ちゃんの私が、ここカナダにきてがっかりしたことの一つがこれ。
↓

そう。
このオレンジっぽい「sweet potato」 は、我らがさつまいもとは異なり、
スウィートとは名ばかりで甘みが少ない上、
さつまいもの最重要ポイントである「ホクホク感」がない!
もうそれはさつま芋と名乗ってほしくない代物だ(名乗ってないし)。
これは私の主観だが、食感はゆでた後のみずっぽい人参といったところか。
いってみれば、ステーキを食べたら豆腐だったみたいな裏切り行為である。
スーパーでこの芋を目にする度、日本のさつま芋への思慕の情は募るばかりであった。
つづく