今日は社名のネーミングについてのお話です。
マツモトキヨシ
携帯電話やPCで「まつもときよし」と入力して変換ボタンを押すと
真っ先にカタカナの「マツモトキヨシ」が出てきます。
そのくらい認知度が高い企業名(店名)ですよね。
今や女子高生に「マツキヨ」と略語で称されるほどです。
人名をフルネームで企業名にしてしまうという例は少ないです。
ハナエモリやイッセイミヤケのように
ファッションデザイナーをブランディングすることはありますが、
ホンダも松下もジャパネットたかたもみんな苗字だけ使っています。
ではマツモトキヨシはなぜ社名をフルネームにしたのでしょうか?
実は創業者の松本清氏の選挙対策がその理由でした。
自分の名前を覚えてもらうために店名に自分の名前を入れたのです。
(カタカナにしたのは横文字風にしたかったため)
その後、松本清氏は松戸市長時代に「すぐやる課」を作った事で有名です。
お役所仕事というと段取りを優先して対応が遅いことた多々ありますが
「するやる課」は市長直属の組織として機動性を確保しました。
このあたりには経営者的センスを感じますね。
社名や商品名には
差別化ポイントやそこに込められた想いをコンセプトにして
ネーミングに反映させます。
そういった考え方からすると、「マツモトキヨシ」というネーミングは
お客さんに魅力的に伝わる表現ではありません。
(知らない人からしたら何屋さんかわかりませんし)
しかし、自分の名前を覚えてもらいたいという想いは伝わってきますよね。
ドラッグストアの名前というと「○○ドラッグ」が一般的ですが
「マツモトキヨシ」はそれだけでもインパクト十分です。
総理大臣の名前は知らなくても
マツモトキヨシの名前を知らない女子高生はいないでしょうから。

