Meta広告(Facebook/Instagram)を運用していると、突然「エラーコード」が出て手が止まることがあります。
でも大丈夫。エラーは“敵”ではなく、原因へ最短でたどり着くためのカンバンです。
本稿では、現場で迷わないように「どのコードが何を示すのか」「直し方は何か」「再発を防ぐ運用」を、誰でも分かる言葉で整理してみました。
1. まず全体像:エラーコードは4つの“発生源”で考える
エラーの多くは下記4カテゴリに収まります。最初にどの箱の話かを切り分けましょう。
- アカウント/支払い系(1000番台)
例:支払い方法の未設定・カード有効期限切れ・請求限度額超過・アカウント一時停止 など。 - 審査/ポリシー系(2000番台)
例:表現の誤解招致、医療・健康の「保証表現」、禁止コンテンツ混入 など。 - 配信/ターゲティング系(3000番台)
例:対象ゼロ、期間設定ミス、予算・入札の不整合、重複設定 など。 - クリエイティブ/技術系(4000番台)
例:画像サイズ不適合、動画フォーマット非対応、リンク先URLのエラー、API/GTM連携不良 など。
公式のエラー参照では、コードと原因が体系化されています。
広告マネージャの表示と合わせて“コード+メッセージ本文”を控えるクセを。
2. 代表コードと「いますぐ効く」対処チャート
コードは“症状名”、直し方は“定型処置”で短時間復旧が鉄則です。まずはよく出る代表例から。
1000番台:アカウント/支払い
- 1001「支払い方法が登録されていません」
→ ビジネスマネージャで支払い手段を追加/更新、請求限度額も確認。 - 1010「アカウント停止中」
→ サポートへ異議申し立て。不正アクセス・ポリシー要因を洗い出し、二段階認証も必須。 - 1020「請求限度額超過」
→ 上限・入札・日予算を調整。
2000番台:審査/ポリシー
- 2001「審査不合格(誤解を招く表現など)」
→ 事実ベースに修正。効果保証・断定表現に注意(医療・健康は特に厳格)。 - 2010 医療領域の表現制限
→ 体験談・効能保証の扱いに注意、ポリシー再確認のうえ言い換え。
3000番台:配信/ターゲティング
- 3001「配信対象がゼロ」
→ 地域/年齢/興味関心が狭すぎ。条件を広げる、LLA活用。 - 3010「予算不足」
→ 日予算・入札の適正化、学習ステータスも確認。
4000番台:クリエイティブ/技術
- 4001「画像サイズ不適切」/4010「動画形式非対応」
→ 推奨比率・形式(MP4/MOV)に統一。 - 4020「リンク先URLエラー」
→ HTTPS・到達性・リダイレクトを点検。 - パートナーシップ広告まわりの承認系(例:承認未取得)
→ クリエイター側の承認を取得し、必要ならDMでフォローアップ。
実務では、“広告を少し編集→再度の確認フローが出現→復旧”といった特殊ケースもあります。「変えたら審査が再走る」動きは覚えておくと早い。
3. 手戻りゼロのトラブルシュート5ステップ
迷ったらこの順で確認。最短で原因に当たります。
1) 場所の特定:広告マネージャで該当オブジェクト(広告/広告セット/キャンペーン)を開き、
「配信」や「審査結果」タブでコード+説明文をメモ。
2) カテゴリ切り分け:上の4箱(支払い/審査/配信/技術)のどれかを先に決める。
3) 定型処置の適用:カテゴリごとの効く手当(支払い更新/表現修正/条件拡張/形式統一)を即実施。
4) 再チェック:学習ステータス・掲載可否・配信規模が正常化しているか確認。
5) ログ化:発生日・コード・対応・結果を簡易スプレッドシートで残す(再発・横展開に効く)。
「特別な広告カテゴリ」を選んだ直後に設定や公開でつまずくケースは、新規広告セットを切り直すと解けることがあります。構造を作り替えて“学習をリセット”できると復旧が早い。
4. 再発防止:エラーを“未然に消す”運用設計
現場で効いた予防のチェックリストです。次回から“出ない状態”を作りましょう。
- ポリシー定期点検
月1で公式の広告ポリシー・エラー参照を確認。アップデート後はクリエイティブの言い回しを棚卸し。 - 事前フォーマット監査
画像比率・解像度、動画形式、テキスト量を作成前チェック(テンプレ化して誰でも確認できるように)。 - ターゲット過狭を避ける設計
最初は配信可能規模を確保→小さく刻むのは学習後。LLAや広めの条件→除外で質を担保。 - 小規模A/Bテスト→本配信
いきなり本予算を流さず、少額で不具合検出→勝ち筋だけ拡張。 - 承認フローの型化(パートナーシップ広告等)
依頼→承認→配信までの役割と手順を文書化。承認が要る施策は期日逆算で。 - 異常時のテンプレ運用
「出たコード」「実施対応」「復旧可否」をテンプレ1枚でチーム共有(朝礼5分で回せる粒度)。 
まとめ:エラーは“道標”。読めれば武器になる
- エラーコードは、原因に向かう道標。まずは4カテゴリのどこかを切り分ける。
- 代表コードは定型処置で短時間復旧できる(支払い更新/表現修正/条件拡張/形式統一)。
- 迷ったら5ステップ(場所特定→切り分け→定型処置→再チェック→ログ化)。
- 再発を防ぐには、ポリシー点検・事前監査・スモールテスト・承認フロー整備・テンプレ共有。
「エラーが出た=止まった日」ではなく、


