マーケティングでも超重要な『テセウスの船』の寓話 | なぜ売れた?ヒットの裏に何が? 広告のプロがマーケティング視点で、成功の秘訣を勝手に考察中

なぜ売れた?ヒットの裏に何が? 広告のプロがマーケティング視点で、成功の秘訣を勝手に考察中

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広告(売る側)のプロが、自由気ままに考察します。身近な事例で、マーケティングの面白さを全ての人に!あなたの生活やお仕事に、少しでもお役に立てれば嬉しいです♪

こんにちは


さて、こちらのイケメン

誰か分かりますか?



これ、宮崎県都城市が

地元産の牛肉や焼酎を

PRするために制作した

WEB動画の一コマ



中央のイケメンは

地元出身の

あるタレントさんを


画像加工してます




誰か分かりますか?




正体は、なんとこの方!!



そう、温水洋一さん!



意表つかれました。お見事!



自治体のPR合戦

近年 盛んですよね




ネット上では


盛りすぎ!

別人!!    など



好感を込めた

ツッコミの嵐

成功の証でしょう




ここで考えてみます



温水さん本人が

この変身後の写真を



例えば



プライベートな

身分証明に使用したら

どうなるか…?



間違いなく

アウトですよね



〝偽造写真〟

みなされます




では、これが

画像加工ではなく



特殊メイクだとしたら



このイケメンは

誰でしょうか?



答えは言うまでもなく

温水洋一さんです



疑う余地がありません



見た目が異なるだけで


カラダもココロも

温水さん本人ですから




この広告を見て私は

ある寓話を思い出しました




『テセウスの船』



かつてアテネで

大切に修理・保管

されていた同船



腐った部分があれば

新しい木材と取り替えられ



長年にわたって

修繕を繰り返しながら

保管されていました




気がつけば

当初の船の木材は

全て取り替えられ


ついにテセウスには

当初の木材がゼロ


1ミリたりとも

残っていない状態に

なってしまった



A氏は言いました

当初の木材が

残ってないのだから

これはテセウスではない



B氏は反論します

テセウスとして保管され

その目的で修理が

繰り返されてきた以上

これはテセウスだ



A氏は負けずに

思い切った

反撃にでます



これまでに取り替えられてきた

朽ちた木材を組み立て直して


なんと、もう一つの

テセウスを復元します




そしてA氏の主張


当初の木材で復元された

こちらがテセウスであり


修理を重ねたテセウスは

レプリカに他ならない




こうして存在した

二つのテセウス




A氏、B氏

どちらの主張が正しくて


どちらのテセウスが

本物なのでしょうか?




あなたは

どう考えますか?






この問題の答え



それは…


A氏、B氏

どちらの主張も

正しい です




なぜか?




何をもって

本物のテセウス

と考えるか?




その人の

目的や価値観、基準の違いで

答えは変わってくるからです




テセウスを遺そうという目的で

修理・保管してきた人にとっては

そのテセウスこそが本物です



でも、例えば



考古学者が、歴史的な観点で

テセウスを調べるとするならば



当初の木材を使って

復元されたテセウスこそが

本物としての価値を持つ




さてさて

温水さんから

話が飛びすぎて

しまいましたが…



このエピソード


マーケティング視点でも

重要で示唆に富んでいます




つまり


モノやサービスの提供価値は

提供する側ではなく

受け手次第で容易に変わりうる



ということ



最後までお読みいただき

ありがとうございました



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