目からウロコの「値上げ法」 | 業績改善コンサルタントのブログ

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経営者の方に「この際、値上げしましょうか」と言うと、
すぐに「それはちょっと…」とか、「とんでもない!」と、
いつも判を押したように反対されます。

確かに値上げはいいことづくめではありませんし、
慎重に行なう必要はありますが、
決してやっていけないものではありません。

「ほんと?」という声が聞こえてきそうですが、
その本当の理由をこれからお話しします。


このブログでいつもお話ししているのですが、
売上は3つの要素で構成されているという話し、
憶えてますか?


そうです。

「売上= 客単価 ×客数 × 頻度 」です。


では、値上げを考えるとき、
どこに注目すればいいかというと「客単価」です。
但し、この客単価は、
「商品単価 × 販売点数」でできていますので、
ここでは「商品単価」に注目します。

つまり商品単価を上げるのです。

そう言うと、あなたからも「それはムリでしょう…」と
言われそうですが、まぁ聞いてください。


値上げに反対するほとんどの理由は、
お客さんは安いものしか買わないという
思い込みからきています。
そうした考え方そのものが、
値上げを難しくしてしまっているといえるのです。

最良の方法は価値を上げてから
価格を上げること
ですが、何れにしても
イザというときは値上げという選択肢も
あり得
るということです。


では、先ず値上げした場合のメリットを見てみます。

例えば、商品単価が10,000円で、
仕入原価が5,000円の商品を販売するとします。
すると粗利は5,000円になりますね。

これを100個売ると、
10,000円×100個で1,000,000円になり、
粗利は500,000円になります。


販売個数を20%増やした場合だと、
10,000円×120個となり、売上げは1,200,000円。
粗利は5,000円×120個で600,000円。
粗利も当然20%増しですね。


ところが、商品単価を20%値上げすると、
売上げは12,000円×100個で1,200,000円になりますが、
値上げしても仕入れ原価は
5,000円のまま変わらないので

粗利は@7,000円となり、100個売ると
700,000円になります


つまり、20%値上げすれば、
粗利は500,000万円から700,000万円となり、
なんと「40%増し!」になるのです。

この場合、大切なのは商品単価を
12,000円にすること
です。


まるでマジックのようですが、
実はここが大きなポイントです。
粗利を上げるのがいかに大切か
お分かりいただけると思います。

しかも販売数が増えた場合は、
それに比例して人件費や光熱費などのコストも
増加
していくので、利益はますます小さくなります。

結局、値上げと販売数を増やすのとでは
20%以上の差がついてしまう
のです。

いかに商品単価を上げることが凄いか
お分かりいただけれると思います。

これが値上げの本当の威力です。


もちろん値上げはいいことづくめではありません。
デメリットもあります。

経営者の方がもっとも気にするのは
「値上げによる客離れ」でしょう。

確かに値上げをするとお客さんは流出します。

しかし、問題は全体の損得勘定です。

これまで、何人お客さんをなくすと
どのくらい利益が減るか、計算したことがありますか?

例えば20%の値上げでは
どこが損益の分岐点になるでしょうか?


単価10,000円(仕入原価5,000円+粗利5,000円)で
1,000,000円を売り上げようとすると、
販売個数は100個です。

しかし、20%値上げした単価12,000円
(仕入原価5,000円+粗利7,000円)の商品で
1,000,000円を売上げようとすると、
1,000,000円÷12,000円で83.3個となります。


つまり、お客さんが減って
100個の販売数が83.3個になっても、
粗利は同じ
ということなんですね。

しかも販売数が減れば、
人件費や光熱費などの諸経費もコストダウンできます


となると、値上げでお客さんが
20%減ったとしてもトントンどころか、
利益が増える可能性さえある
わけです。

もちろん、20%も減少するとなると問題ですが、
ただ、販売数が減ると販売側に余裕が生まれます。
その分、離れないでいてくれたお客さんへの
フォローがよりしっかりできて、
顧客満足度を上げられます。

すると?

そうです。リピート率が高まって、
販売数を増やすこともできる
のです。

いかがです? 値上げをしたくなってきたでしょ?(笑)


ここでもう1つノウハウがあります。
今回は解りやすくするために20%の値上げ例で考えましたが、
心理学では13%が値上げ・値下げの分岐点
になるといいます。

要は、人は日頃から認識している数字より
13%を基準にして高くなったか安くなったかに
気づきやすくなる
ということです。

となれば、先ずは10%で
値上げにトライしてみるのも手かもしれませんね。

もちろん、値上げには理由が必要ですし、
原料の高騰とか納得していただける理由があれば、
問題ありませんが、もしそうでないのなら、
それはもうこっそりやるしかありません(笑)。


最後までお読みいただきありがとうございます。


お客さんに、
「(競合に知られたくないから)あまり書かないで」と
言われながらも頑張って書いています(笑)。

励みになりますので「いいね!ポッチと。

また、「業績の改善・向上をご相談したい」という方は、
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もちろん、私のコンサル料は値上げしていません(笑)。


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