ゴッホやフェルメールの絵を、スマホの壁紙にしたり、印刷して部屋に飾ったり。実はこれ、許可を取らなくてもできます。
「有名な絵なんだから、勝手に使ったらだめでしょう」と思いますよね。私もそう思っていました。でも、世界の美術館が「どうぞ使ってください」と画像を公開しているのです。
むずかしい話は最小限にして、何ができるのかだけ書きます。

なぜ無料で使えるのか
理由はふたつあります。
ひとつは、絵が古いからです。著作権には期限があって、日本では原則として描いた人が亡くなってから70年で切れます。何百年も前の絵は、とっくに期限が過ぎています。
もうひとつは、美術館がそう決めたからです。所蔵している絵を撮影した写真を、条件をつけずに公開すると表明した館がいくつもあります。
昔は逆でした。美術館は絵の写真を管理して、出版社などに使用料をもらっていたのです。それをやめた館が出てきた、というのがここ十数年の流れです。
どのくらいの数があるのか
数字を並べると、変化の大きさがわかります。
- 2012年 アムステルダムの美術館が12万5千点を公開
- 2017年 ニューヨークのメトロポリタン美術館が37万5千点以上を公開
- 2020年 スミソニアン協会が280万点を超える画像を公開
十数万点から数百万点へ。8年ほどで、けた違いに増えました。
何をしていいのか

公開されている絵は、こんなふうに使えます。
- スマホやパソコンの壁紙にする
- 印刷して飾る
- 資料や発表のスライドに入れる
- 切り貼りして遊ぶ
- 商品にして売る(認めている館もあります)
誰かに許可を取る必要はありません。お金もかかりません。
気をつけたほうがいいこと
とはいえ、いくつか知っておくと安心です。
その1。絵によって条件が違います。 「この美術館は全部自由」ではなく、作品のページに書かれている表示を見るのが確実です。
その2。表示にも種類があります。
- CC0 … いちばん自由。出典を書かなくてもいい
- CC BY … 使っていいけれど、どこの美術館のものか書く必要がある
- パブリックドメイン・マーク … もう権利が切れている、という印
その3。美術館は方針を変えることがあります。 前は公開されていた絵が、対象から外れることもあります。使う前にもう一度見ておくと安全です。
タダではあるけれど、無料ではない

ひとつだけ、知っておいてほしいことがあります。
無料で配られている画像にも、作るお金はかかっています。絵を1点撮影するのに、専門のカメラマン、照明、色の調整、絵を動かす作業が必要です。何十万点ともなれば、何年もかかる仕事です。
その費用は、美術館の予算や寄付でまかなわれています。つまり誰かが先に払ってくれている。
CC0なら出典を書かなくてもいいのですが、それでも「どこの美術館の絵か」を書き添えておくのは、気持ちのいいことだと思います。
まずは眺めてみるところから

いきなり使わなくても、まずは眺めるだけでも楽しいです。
好きな画家がいるなら、その人の作品をまとめて見てみる。特にいないなら、色や形から探してみる。金色の絵だけ、縦長の絵だけ、といった探し方もできます。
美術館に行くのとはまた違う楽しみ方が、家にいながらできるようになりました。せっかく公開してくれているので、使わない手はないと思います。
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