『おかあさん』


いやぁ~ビックリしました。。
先週三日間程、ブログの投稿が出来なくなり、、その上、自力で復旧させようとするとネタ帳代わりにしていた大事な下書き保存記事が全て消去されてしまうとの怪情報まで入り(((・・;)…‥暫くの間、震えて眠れぬ日々を送っていましたが、、ようやく復旧しました!

という訳で、、記事も書けずモヤモヤしていた私ですが…‥

今回も、前ブログからの流れで、、またまた家族の物語をチョイスしてみました。。

作品名も超シンプルで『家族』から『おかあさん』(笑)

Amazon primeビデオ(有料)でも【成瀬 巳喜男】監督の作品が増えて嬉しい限りです❗


◇ 1952年作品(新東宝)
監督 : 成瀬 巳喜男
原作 : 全国児童綴方集より
脚本 : 水木 洋子
撮影 : 鈴木 博
音楽 : 斎籐 一郎
出演 : 田中 絹代、香川 京子、三島 雅夫、岡田 英次、榎並 啓子、片山 明彦、加東 大介、中北 千枝子、沢村 貞子、三好 栄子、鳥羽 陽之助、一の宮 あつ子


〈簡単なあらすじ〉


戦災で焼け野となってしまった町で、福原一家は、戦後七年が経ちやっとのことで元々営んでいたクリーニング店を再開した。



福原 良作(三島 雅夫)とその妻・正子(田中 絹代)、長男・進(片山 明彦)、長女・年子(香川 京子)、二女・久子(榎並 啓子)、そして正子の妹で未亡人の栗原 則子(中北 千枝子)息子・哲夫(伊藤 隆)を預かり面倒を見ている福原家は、毎日が賑やかな明るい家庭であったが、、


病弱な長男・進は、入院までしていたが、母に会いたい一心で病院を抜け出し家に帰って来てしまった、、既に病状は悪化しており、間もなく若くして病死してしまった。


その後、、
程なくして今度は、父・良作が過労から病に掛かり寝たきりとなってしまうが、良作の弟子でシベリア帰りの木村(加東 大介)に家業を手伝って貰い何とか店は存続出来た。

しかし、良作も間もなく亡くなってしまった。


賑やかで楽しい家族だったが…‥

福原家を一人で背負ってしまった正子は、これからどの様にして生き抜いて行くのだろうか……



……‥……‥…‥……‥(★ネタバレしますm(__)m)

身につまされる出来事が続き、、
福原家の生活は困窮して行く……‥


葬儀代にも苦労する正子の事を不憫に思った、義弟夫婦(鳥羽 陽之助・一の宮 あつ子)は、自らも子供を亡くしており、以前から正子の子供から一人を養子に取ろうと話し合っていたが…‥改めて義弟から相談された正子は、意を決して……その事を次女・久子に話した。。


そして、久子は、母の大変そうな姿を見て、自ら叔父さんの所へ養子に行く事を決断する。。

今では、特別な事情が無い限りあまり聞きませんが、まだまだ子供が沢山居たこの時代は、この様な養子縁組は、割りと良くある事だったんでしょうか?ちょっと複雑ではありますが…‥


最後の記念にみんなで行った遊園地での久子の笑顔が印象的で、、優しく健気な子供達に救われる正子だったが…‥

自分の力だけでは子供達を幸せにしてやれない……全ては久子の幸せの為にと、自らも気持ちを抑え、涙は見せなかった正子。。


別れの時、久子は自分で書いた、おかあさんの絵を持って行くが、、
叔父さん夫婦に、気を使って引き出しに隠す所等、どこまでも健気な久子に涙が溢れる。。


久子とは対照的に、
ずっと年上の姉・年子は、逆に少しワガママで子供っぽい所があり、オテンバさんだが…‥おかあさんが大好きで、一生懸命頑張るが空回りしてしまう所が、何とも可愛い❗


色男なのに、少しヌケてるオッチョコチョイのパン屋の信二郎役【岡田 英次】さんは、年子に首ったけ!で、年子から、お父さんや「ポパイの様な逞しい人が好き!」と言った上で、信二郎も「ポパイ」に似てると言われてからの、有頂天具合が微笑ましい❗


一方、
未亡人となった母を献身的に支えた木村だったが、、周囲の好奇心から二人が近々結婚するのではとの謂れの無い噂が広まる、、

年子は、そんな母と木村に対して嫌悪感を抱く。。まだまだ難しいお年頃ですね。。

しかし、最後には、何事もなく、、
木村は独立する為にと、この家を去って行った。年子の心情を察知しての事だとも思うが、本作では最初から最後まで珍しくイイ人で終わる、、何だか寂しそうな【加東 大介】さんでした(笑)m(__)m



物語のアクセントとして面白かったのが、、
正子の妹・則子役の【中北 千枝子】さんと息子の哲夫くん!成瀬映画のレギュラーである中北さんは、いつもより多目に出ています!みたいに、ちょこちょこと顔を出してくるが、この母子は福原家にとっては、確かに迷惑ではあるのだが、、誰もそれを責めず、戦後の持ちつ持たれつ精神が伺えます。
我が娘を手離してまでの行いは、人の役に立つと言う正子の信念がそうさせているのでしょうが…‥少し理不尽にも感じました。。


何はともあれ、
新しく丁稚を迎えて新たな生活が始まり、
また、幾日かが経った福原家、、


仕事に疲れ果てて居眠りしている丁稚が、書こうとしていた手紙が映される…‥

「母上様」……‥

粋で、ほのぼのとした演出に、沁々と感動しました。


最後まで自分自身の幸せより、子供達の幸せを優先する気丈さが伝わる『おかあさん』であったが、、ふと零れる溜息と同時に見せる寂しげな表情を見た年子は何を感じたのだろうか?

母になれば、解る事なのかも知れません。。

その後の物語も観てみたくる程、魅力的な家族でした!!

★★★☆

…………‥……‥……‥……‥……‥……‥

これは!
【成瀬 巳喜男】の傑作の一つと言ってもよい作品ではないかと思いました!

勿論、世界的に評価の高い『浮雲』等の、如何にもどんよりとした淫靡な大人の物語も宜しいのですが…‥
素朴でユーモアたっぷりな『おかあさん』とその家族の奮闘記は、切なさあり、暖かさありの素晴らしい作品でした!


ポパイの様なお父さん役の【三島 雅夫】さん、、頑張り過ぎるのが当たり前のこの時代は、こんなお父さんが沢山いたと思います。。『雁の寺』の慈海和尚のインパクトが強過ぎですが…本作では、頑固だが気は優しい力持ちを好演されていました!


タイトルロールの『おかあさん』= 正子役の【田中 絹代】さん、、流石の安定感ですが、病床のお父さんと昔話をするシーンは、苦しくも楽しい家族の歴史を垣間見れる秀逸なシーンで、回想シーンでの優しい表情に癒されました!


年子役の【香川 京子】さん、、
『稲妻』の記事でも触れましたが、今観ても、アイドル並みの可憐さと何ともチャーミングな笑顔!信二郎さんにウィンクする悪戯っぷりに貴方もノックアウト!(笑笑)


オシャマなチャコちゃんこと久子役の【榎並 啓子】さんは、、調べると、本作の後に『山椒大夫』の幼少期の安寿役で、青年期の安寿役の【香川 京子】さんと再度共演されていました!


ケンカが絶えなかった哲夫くんとの、お別れのシーンには、泣かされました。。

◎○●◎○●◎○●◎○●◎○●◎○●

最後に、
成瀬監督のお遊びなのでしょうが…‥
映画の中盤に驚きの展開があります!(笑)

私は、えっマジ、これで?やら、何かの不具合で機器が壊れてしまったのか?と、不覚にもアタフタしてしまいました(大笑)

観られた方々は、アレね!と思っていただけると思いますが、、未見の方の為に、ココでのネタばらしは控えたいと思いますm(__)m(笑笑)