『小さいおうち』
山田 洋次監督と言えば『寅さん』シリーズ!
というのが必然の、生まれも育ちも葛飾の私。。(柴又ではない……)
山田監督作品で、山の手の中流家庭?禁断の愛?等との事前情報から、多少の違和感があった為に、、
本作を、『見るか?否か?』と、悩みましたが、、やはり見ます (((^_^;)
◇ 2013年作品(松竹)
監督・脚本 : 山田 洋次
脚本 : 平松 恵美子
原作 : 中島 京子
撮影 : 近森 眞史
美術 : 出川 三男、須江 大輔
音楽 : 久石 譲
録音 : 岸田 和美
照明 : 渡邊 孝一
編集 : 石井 巌
出演 : 松 たか子、黒木 華、片岡 孝太郎、吉岡 秀隆、妻夫木 聡、倍賞 千恵子、橋爪 功、吉行 和子、室井 滋、中嶋 朋子、林家 正蔵、小林 稔侍、夏川 結衣、木村 文乃、笹野 高史、米倉 斉加年
《簡単なあらすじ》
昭和11年、
雪深い東北・米沢から上京したタキ(黒木 華)は、程なく平井家の女中として雇われた。
平井家は、玩具メーカー重役の主人(片岡 孝太郎)、妻・時子(松 たか子)と愛息の三人暮らしでごく普通の幸せな家庭だったが……
正月に年頭の集まりに訪れた主人の部下・板倉(吉岡 秀隆)の出現により、、次第に家庭の不和が生じ、恋愛事件(?)へと発展して行く。。
その後60年が経ち、タキ(倍賞 千恵子)は、又甥・健史(妻夫木 聡)に促され自叙伝の執筆をはじめる。
生涯、伴侶を得ずに一人で生きてきた、タキにより、
三角屋根の「小さいおうち」の物語が語られていく。。。
………………
昭和の場面(回想シーン)では、小津映画的な台詞回しを意識的に使い、現代場面との、すみわけをしたのだろうか、、?
とにかく、【松 たか子】さんと【黒木 華】さんの、称賛に値する演技に見惚れてしまった。
時子は、重役婦人という高潔さを保ちつつも、若い男に心揺らす淫らな一面が徐々に剥き出しになって行く様は見事!
タキは、田舎臭い生娘m(__)mという設定で、自己犠牲・忠誠を健気に実践するが、、自室で寛ぐ風呂上がりの浴衣姿等、、未成熟ながら女の色をさりげなく散らし、男心(鑑賞者)をくすぐらせる。※個人的私感m(__)m。。
最初は違和感を感じた、久石譲のマイナー調のテーマが、物語が進み家族に暗雲が立ち込めてくると、妙にマッチして聞こえる。。
…………
時子と板倉の関係を心配するタキ、、、
時子の(宝塚男役系)女友達・睦子(中嶋朋子)の登場により、タキは時子への愛に苦悩しているかの様な錯角(?)に陥る……
睦子は、純情なタキを洗脳して三角関係へと誘導して楽しんでいるかの様だ……
同様に想いを寄せて来た、時子への未練と嫉妬か……
平井家が混沌を極めていく……
板倉が、平井家へ召集令状を持って別れの挨拶に行った帰りに、タキを抱擁するシーンは、割りとサラッと見せているが、、「時子とタキの為に戦う」と言われたタキの板倉への恋愛感情に火が付く、、? 重要なシーンだったのだろうか?
次の日、
板倉の元へ行くと言った時子に、一介の女中タキは、二人を会わせまいと、悩み苦しんで、時子に指図ともとれる行動に出た真意は、、
平井家への忠誠愛なのか?
時子への嫉妬愛なのか?
板倉への純情愛なのか?
結局二人は会えぬまま、、板倉は戦地へ召集される……
戦下、タキを故郷へ帰すシーン…
別れに涙するタキを「落ち着いたら必ず戻って来て」と優しくなだめる時子だが、その表情は冷めていて、タキへの憎しみを滲ませている様にも見えた。。
等々、、
どう解釈するかは、、鑑賞者に委ねられてしまい混乱してしまった。。が、
全体的にタキの同性愛を暗示させるトリックが随所に散りばめられているので、、やはりそう言う事なのかと、、思う。。
……
年老いたタキが「長く生き過ぎた」と言い嗚咽するシーンは、過去の過ちに対する自責の念と取れ、重すぎる……
タキの家に飾られた三角屋根のおうちの絵画の意味は?
ある意味、難解な作品だった、、が…
同時に深い感動を覚えた。
時間を空けてもう一回見てみたい。
自分なりに、違う答えが見つかるかも知れない……
…………
戦前・戦中の市井の人々は、案外普通の生活をしており、全ての日本人が戦争!戦争!と騒ぎ立てて居たわけではないという事は、、『この世界の片隅に』でも、、見られる様に事実なのだろう……
戦争に勝ってデパートがバーゲンセールなんて、あまりにも、とんでもなくお気楽過ぎるが…それだけ、自国が戦争に負ける訳が無いと楽観視していた国民の誤った認識の象徴か…?
(★2019.12.7 一部加筆修正いたしました。)

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