『舟を編む』

静かだが、
熱い出版編集者達の物語。

想像を越える、長い年月を掛けて作られていく辞書への熱意と愛情。

時代は変わり、利便性の低いモノになってしまった辞書について、、

今一度見直されるべきか……


◇ 2013年作品
原作 : 三浦 しをん
監督 : 石井 裕也
主演 : 松田 龍平、宮崎 あおい、オダギリジョー、小林 薫、加藤 剛、八千草 薫、黒木 華、池脇 千鶴、伊佐山 ひろ子
★日本アカデミー賞 作品賞受賞


〈簡単なあらすじ〉

ある出版社の営業部に勤める馬締(松田 龍平)は、書物マニアの真面目で無口な青年だ。

ある日、馬締は、辞書編集部の担当者・荒木(小林 薫)の定年退職に伴い、適性面を考慮され同部へ異動した。

彼の請け負う仕事は、新たに出版を予定する辞書『大渡海(だいとかい)』の編集作業だった。

仕事に没頭する日々を送る馬締は、ある夜、下宿先の大家さん(渡辺 美佐子)の孫娘・香具矢(宮崎 あおい)と出会い、一目惚れしてしまう。

『大渡海』の完成と香具矢への【恋】の行方は…?

………………… 

(※ ネタバレ始めます。。)

一冊の辞書作りに凡そ15年の歳月を掛けるという事は、、相当の覚悟と情熱が必要であり、
莫大な時間を掛け、黙々と地味な作業の繰り返しだ。。。

彼らの、紙質一つにもこだわる、、その精神は、正に職人的で妥協を許さない。

紆余曲折あってモチベーションの維持が難しい位の起伏も時には必要だと思う程、気が遠くなる作業だと思いました。


若い二人、
【松田 龍平】さんと【宮崎 あおい】さんの、
静かで淡々とした、表情での演技には、言葉以上の、お互いへの深い労りの気持ちが伝わりました。

それに、
馬締とは180度性格が違う、営業向きでチャラい西岡【オダギリジョー】さんとの、深い友情関係が最後まで辞書作りを支えているところ。
会社に於ける、適材適所の重要性が上手く描かれていて見事でした。

また、
「大渡海」を監修する国語学者・松本は老練で言葉への飽くなき執着に人生を捧げる姿は快活でした。
晩年、病床でも妻と仲睦まじく新聞から「用例採集」するシーンは心温まり涙を誘う。。

国語学者・松本を演じた【加藤 剛】さんは、『砂の器』での演技が印象的でしたが、、本作でもとても素晴らしい、心染みる名演だったと思いますm(__)m

…………………


いつも支えてくれる、愛妻への感謝の言葉は、あまりにも月並みだが、、見ていてとても清々しく感じた。。

この真面目で無口な男と妻との会話は、、辞書に頼る様な難解な言葉を全く使わない、、

それは、恋文の失敗(笑)等、二人の生活の中から養われたコミュニケーション能力の成長だろう。。

辞書は、普段の生活に於いて、決して必要不可欠なモノではない。。そう考えると、、

辞書とは、
ある意味、著者の作り上げた、
莫大な言葉を詰め込んだ、、
壮大な物語なのかも知れないですね。


こい【恋】

ある人を好きになってしまい、
寝ても覚めてもその人が頭から離れず、
他のことが手につかなくなり、
身悶えしたくなるような心の状態。

成就すれば、
天にものぼる気持ちになる。

⬆ そんな気持ちになったのは、、
いつ頃だったか忘れる程、、遠い過去です。。
( ;∀;)

…………………

長い時間を掛け、一つのモノを造り上げる事の大変さ、、身に染みて分かります。。
私も、以前、商品企画・開発に携わっていて、一つの商品が出来るまでの苦労と喜びは、何にも変えがたい達成感があり、その商品への愛情が湧き起こります。
なりふり構わず、無我夢中になれたなぁ……


ホントに私事な余談☝
最後に、松本先生が入院する病院に馬締さんが駆け付けるシーン、、
ロケに使われた病院は、私が昨年入院・手術した千葉県の病院でした。。奇遇ですが、間違いない☝