『白と黒』
一昨日のニュースだったか、、
福岡県北九州市の図書館で【松本 清張】氏の小説六十数冊が盗難されると言う、、正にミステリアスなニュースがありました。。
どんな難解なトリックが隠されているかは分かりませんが、、
短編ミステリー集の様に早期解決を望みますm(__)m
今回は、その松本清張氏の原作!、、ではなくゲスト出演されている、珍しい作品を紹介致します☝
(★取って付けた様でm(__)m(笑))
本作は【橋本 忍】氏のオリジナル脚本作品ですが、、
後半、二転三転する、、そう来るか!また来るか!の展開を、存分に堪能出来ました❗
◇ 1963年作品(東宝)
監督 : 堀川 弘通
脚本 : 橋本 忍
音楽 : 武満 徹
出演 : 小林 桂樹、仲代 達矢、大空 真弓、乙羽 信子、井川 比佐志、千田 是也、西村 晃、浜村 純、小沢 栄太郎、山茶花 究、東野 英治郎、岩崎 加根子、菅井 きん、淡島 千景
特別出演 : 松本 清張、大宅 壮一
〈簡単なあらすじ〉
目黒の高級住宅街、、
死刑廃止を提唱する高名な弁護士・宗方 治正(千田 是也)の留守中、妻・靖江(淡島 千景)は、宗方に支える若手弁護士・浜野(仲代 達矢)との不倫によるいざこざから口論となり、浜野は勢い余って、靖江の首を絞め殺害してしまった。。
慌てて自宅に帰った浜野だが、、程なく女中・きよ(菅井 きん)から電話が入り、仕方なく宗方邸に戻るが、、そこで捜査一課の平尾刑事・(西村 晃)から、尋問を受けている最中に、犯人・脇田(井川 比佐志)容疑者が逮捕された。
浜野は、殺人犯が現れた事に動揺を隠せなかったが、、製綱会社会長の娘である村松 由紀(大空 真弓)との縁談があった為、殺害の事実を隠蔽する事を選んだのであった。
事件を担当する事になった検事・落合(小林 桂樹)は、前科四犯の脇田の供述から、、彼が真犯人である事は、ほぼ間違いないと見て、厳しく追及し、遂に脇田に容疑を認めさせた。
そして、愛する妻を殺害された宗方は、主義主張する死刑廃止の為、死刑確実とされていた脇田を、已む無く弁護するのであった。
事件は、裁判によって順調に解決に進んでいたが、、
執拗に物的証拠不足に意義を唱える浜野に、疑念を覚えた落合検事は、平尾刑事と共に、再度、浜野弁護士と殺害された靖江との関係を調べて行くと、、新たな、疑惑が浮かび上がった。。
……………………………
(★完全にネタばらします・要注意 m(__)m)
流石!【橋本 忍】氏のシナリオで、、
台詞の伏線や、ショッキングなオープニング等、いつもながら、シーン構成の妙を感じさせます!
いきなり、犯行シーンで始まり、、
犯人が分かってしまう。。その殺人に至るプロセス等を、二時間弱使って解き明かされて行くのか?(笑)と思いきや、、
単純明解なストーリーが次第に、複雑難解に思えて行く描写が実に面白い❗
真相究明の決め手となった受話器のくだりは秀逸で、、冒頭のシーンで受話器が外された時に、おや?と見逃さなかったのですが、、終盤に、なるほど!と唸ってしまった!
浜野への独占欲から、彼が関係する女性達へ手紙による嫌がらせを繰り返す靖江、、
それを知った浜野が靖江に事実を追及すると、口論となり「男妾」と罵られた事で常軌を逸した浜野が、
➡靖江の首を絞める
(揉み合いになり勢い余って受話器が外れる)
➡靖江が死んだと思い込み、急いで宗方邸を飛び出し逃げる
➡途中で、バイクの青年と遭遇し挨拶を交わす(アリバイ究明の重要な証拠となる)
➡脇田が、施錠されていない宗方邸に侵入する
(知人が宗方宛に電話をかけるが、ずっと話中だった事を不審に思い電話局へ問い合わせる)
➡電話局から、受話器が外れていると指摘の連絡が入る
➡失神から目覚めた靖江が電話に応答する
➡寝室で、強盗に入った脇田と靖江の目が合う(電話の呼び鈴が鳴り響く)
➡焦った脇田が靖江の首を絞め殺害する
➡留守から戻った女中が死体を発見して通報する
真実を時系列にハメこむと、この通りになります。
浜野の行為は殺人未遂だったのだ、、
あのまま冷静に、救急車を呼ぶ等の対処をしていれば、、こんな大事件にならずに済んだかもしれない………
しかし人間の業か…‥?
不倫が発覚してしまう事で、宗方氏への後ろめたさや、それまで築き上げたモノが崩れると、、咄嗟に、罪から逃れる方法を模索する為にその場から逃げてしまう……
(最近の、どこぞの芸能人のひき逃げ事故にも似てますが、、)
自分だったらどうする?
と考えると、きっと浜野と同じ心理状態に追い込まれ、逃げていたかも知れない。。
(カスでスミマセンm(__)m)
そんな、自身の良心の呵責にまで訴えかけられる様な作品でした。(苦笑)
………………………………
そして、衝撃?のラストへ⬇
落合検事が、騒動の責任を取り釧路へ懲罰転勤となり、転勤前に、東京で「痔」の手術後の病室。
落合の妻・知子(乙羽 信子さん)が出てくるシーンだけは、何故か?ホームコメディの様で、とてもほっこりします(笑) が、、
そこに、面会に来た、浜野弁護士。。
結果的に釈放され、、何か呪縛がとれてスッキリした様な、浜野の穏やかな微笑み、この事件の解決にほのぼのとするシーン、
だが…‥?、何処か違和感を感じる。。
そして、本当の結末で、浜野が取った行動、、
罪を受けるべき殺人未遂を犯した男は、、
罰を自らに与えるしかなかった。。。
もとはといえば、、宗方の妻を絞殺(未遂)をして、施錠をせずに逃げた事が、強盗犯・脇田の侵入を許し、殺人まで引き起こしてしまった事件の発端だった、、浜野弁護士の罪の意識は、死して償うしか無かったのだろう。。
やはり、浜野は自身に「白」ではなく「黒」だと言う判決を下した……
最後の最後で、観る側を我に帰らせる、見事な結末に、またも完敗m(__)m
★★★
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⬆落合検事役の【小林 桂樹】さん、、
相変わらず、コミカルとシリアスを絶妙に使い分ける方ですね!
⬆浜野弁護士役の【仲代 達矢】さん、、
あの怯え方、自律神経の遣られ方は流石の演技力です!最後の微笑みにやっと安堵出来たかと思いましたが…‥
⬆村松由紀役の【大空 真弓】さん、、
上流階級の賢~いお嬢様、、穏和なお顔立ちに似合わず冷淡な女王様タイプ(?)、、さっさと海外逃避してサヨナラもお見事👍
⬆マスコミの報道にも振り回され一喜一憂、、「天国と地獄」を行ったり来たり【小沢 栄太郎】さん演じる地検刑事部長の態度には、世間体に振り回される法曹界をシニカルに表現されてました。
⬆最後に前述の盗難事件の件、、
きっと【松本 清張】先生も怒ってると思いますよ(`ヘ´)






















