『黒い画集 あるサラリーマンの証言


最近、週一ペースで【松本 清張】病にかかりつつあります……サスペンス・ミステリー依存症とでも言うのでしょうか?(笑)

とにかく、、ぞわぞわしたくなります(^_^;)

本作は『黒い画集』の一編『証言』を【橋本 忍】氏が脚色した社会派サスペンスの傑作❗

◇ 1960年作品(東宝)
監督 : 堀川 弘通
原作 : 松本 清張
脚本 : 橋本 忍
出演 : 小林 桂樹、原 知佐子、中北 千枝子、織田 政雄、菅井 きん、平田 昭彦、西村 晃、中村 伸郎、江原達怡、児玉 清、小池 朝雄、



〈簡単なあらすじ〉


毛織メーカーの管財課長・石野(小林 桂樹)は、将来それなりのポストも約束された人望の厚い真面目なサラリーマンだ。


会社の事務員・梅谷 千恵子(原 知佐子)とは不倫の関係にあり、七月十六日のこの日の夜も、新大久保の彼女のアパートを訪れ情事を重ねていた。


その帰り、神経質で注意深い石野は、人に見られないよう念には念を入れて、見送りする千恵子とは離れて歩いていたが、路地を曲がった所で、偶然にも近所に住む顔馴染みの保険外交員・杉山(織田 政雄)とばったり会い、咄嗟の反応で会釈を交わしてしまった。。

妻・邦子(中北 千枝子)と子供達の待つ自宅へ帰ると、、石野は、渋谷で二本立て映画を観て来たと悪びれもせず家族に嘘をつくが、杉山と思わぬ所で会ってしまった事が妻にバレて、勘ぐられはしないかと心配は尽きなかった。

………

それから数日後、世間を騒がせていた、
向島主婦殺人事件の容疑者として杉山が警察に連行された。

被害者の殺害時刻が、石野と杉山が偶然会ったあの七月十六日の夜だった事から、杉山はアリバイとして、その時間、新大久保で石野と会ったと警察に主張したが、、


石野は、浮気がバレる事を恐れて、杉山に会って居ないと警察にも法廷でも嘘をつき通した。

用意周到に千恵子には予め引越しをさせて、この関係を隠し通せると確信したが、、

この事が、新たな火種となり、後に惨劇を巻き起こす原因となるとは誰が予想したであろう………



…………………………(★ネタバレしますm(__)m)


いや~怖いですね (゜゜;)

この作品は、、
保身の為に嘘をついた男に降りかかる罪と罰、

平凡なサラリーマンへの運命の悪戯か?
嘘も方便なんてとても言えない、怖~い物語


「42年の生涯は、やっと掴んだ生活のゆとりだ!」なんて調子乗ってる主人公の石野課長、若く美しい部下との浮気に精を出すが、、本妻さんの生活感の滲み出方も、中々色っぽく☝


こんな男の生活を、羨望の眼差しで見てしまいました。。m(__)m

しかし、この課長さん、かなりのビビりで、、
ご近所さんと、気マズイ場所でバッタリしてから……その事が心配で堪らない。。

杉山のアリバイの証人を頼まれても、、
頑なに拒み、浮気がバレない様に嘘を貫いた。。

あの晩の、杉山と会った事を、正直に証言した場合のその後の予測のシークェンスは、非常に素晴らしい演出で、、一瞬、混乱して、、騙されそうになりました、、(^_^;) 


そして、、
千恵子の引越先で出会った二人の(しょ~もない)学生、その内の一人、松崎(江原達怡)は、賭け麻雀で与太者の早川(小池 朝夫)から多額の借金をしており、返済に苦しんでいた、、

彼にとっては、千恵子と関係のある、妻子ある中年浮気男・石野は格好のユスリ相手だったのだろう。。


⬆この後の、家族団欒の食卓シーン位から、、
何か、嫌~な予感しかせず、、ぞわぞわが止まらない。。(・・;)

仕方なく松崎の要求を飲み、金を工面した石野、、千恵子とも別れ、全てにケリをつけて、
楽しい家庭に帰ろうと改心した矢先、、

映画を観ていた為に、約束の時間に少し遅れて、金を渡しに松崎の元に行くが、、そこには血にまみれた松崎の遺体。。

全てが裏目・裏目になり、、今度は石野が容疑者として連行され、、、殺害時刻のアリバイとして新橋で映画を観たと言うが、、それは、杉山に会った時に使った嘘のアリバイと同じシチュエーションだった事から、刑事から勘ぐられ、結局は、全ての真実を供述する羽目になってしまった。。

その後、真犯人が捕まり自分も杉山も無罪放免となるのだが、、、

これからの人生をどうすればいいのだろうと、、途方に暮れる所で。。THE END……

ですが、、☝

前述した、中間に挿入されていた、あの時点では、予測だったシークェンスが、、
この、ラストシーンの後に繋がり、その後の結末シーンとなる。。なんて深スゴい演出👍(個人的な予測ですがm(__)m)

…………………………………

恐喝した松崎も、隠匿した石野も自業自得か……

最初についた、映画鑑賞の嘘が仇となり、
「オオカミ少年」の寓話の如く、真実を信用されないと言う展開が面白かった👍

一生懸命、映画の内容を説明する石野の表情は、虚しくも滑稽に見えた。。

世の(浮気)男性への訓示か?
こんな目に遭わないように!
火遊びはホドホドに  m(__)m

★★★☆
…………………


⬆石野役の【小林 桂樹】さん、、
オオカミ中年、人間は危機に瀕する程、幼稚になる………分かりますm(__)m


⬆千恵子役の【原 知佐子】さん、、溌剌としてキュートな娘さん!石野が惜しくなるのも無理はないですね!全く残念です………


⬆石野の妻・邦子役の【中北 千枝子】さん、
本作では、しっかりした奥様役でしたが『稲妻』での気怠い妾さん役も良かったです☝


【菅井 きん】さん、、本作でも迫真の演技でした。『張込み』のイヤミな刑事夫人や『愛のお荷物』の野党議員さん等、時に強烈に、時にコミカルに嫌われ役に徹する姿には、甚だ感服致します

先日、惜しくも他界されましたが
この場をお借りして
ご冥福を心よりお祈り致します
…………………………


何気に興味深いシーン☝
石野がアリバイ工作をする際、映画の内容を覚える為に千恵子が「キネマ旬報」のバックナンバーを買いに行くシーンがありますが、、これってシャレなのか媚びなのか?本作は当年の「キネマ旬報」日本映画ベストテン第二位に輝いています✌(笑)