(当時のフレコミより)
「日活が挑む文芸大作!」
奇才・川島 雄三監督は、果たしてどんな作品に仕上げたのでしょうか?
結婚六年、早くも(?)倦怠期にある夫婦が、其々に理想のパートナーと偶然出会うが、、
まさかの父までも巻き込み、五角関係へ発展する、シリアス多めの大人のラブロマンスです❗
◇ 1955年作品(日活)
監督 : 川島 雄三
原作 : 井上 靖
助監督 : 今村 昌平
音楽 : 黛 敏郎
出演 : 月丘 夢路、三橋 達也、三國 連太郎、新珠 三千代、山村 聡、小夜 福子、金子 信雄、小沢 昭一、高原 駿雄、小沢 榮
カジカ研究を専門とする生物学者・曾根 二郎(三國 連太郎)は、旅先で知り合った八千代(月丘 夢路)の紹介で、実業家の父・梶 大助(山村 聡)の元へ、研究資金投資をお願いしに訪ねてきた。
娘・八千代の紹介だった為、無下には断らずに、その知識に長けた知人を紹介する事となった。
八千代の夫・克平(三橋 達也)は、余暇があれば趣味の山登りに没頭していて、八千代との関係は悪化するばかりで、、
そんな、克平への不満もあり、曾根に気持ちが傾いて行く八千代であった、、
一方、梶は、東京の妾・杏子(新珠 三千代)に洋裁店を持たせていて、長年関係を続けているが、その事を大阪の実家に居る妻・滋乃(小夜 福子)は知る由もなかった……
ある日、克平が偶然通り掛かった街の洋裁店で、杏子と出会うべくして出会い、程なく二人は恋に落ちるのであった。。
冷めきった夫婦に、其々お互いを思いやれる理想の人が現れ、、心が揺らめいていく。。
…………………………(★ネタバレありますm(__)m)
八千代から克平への台詞、、
「あなたは私以外の人にはきっと優しい、、私もあなた以外の人には素直になれる……」
既に崩壊寸前の夫婦、、
こんなに利害が一致していれば、きっと円満にコト(?)が進むんでしょうね(苦笑)
冒頭から、夫婦の関係と二人の性格が分かる電話のシーンは、秀逸!⬇
克平「やだね、忙しいんだ!切るよ、、」
八千代「まだ切ってはダメ!私の方から切ります!」ガチャン❗❗(笑)
八千代の負けん気の強さと、克平のクールで妻への興味の薄さが伺えます。。
その八千代は、ある旅行中の車内で出会った、生物学者・曾根の、ひた向きな人間性に興味を持つ様になり、、そして徐々に一人の男として見る様になって行った。。
ある日、
克平が、勝手に貰って来たワンちゃん。。
☆このワンちゃんが、後に関係を拗らす原因になる所もまた面白い👍
犬嫌いの八千代は、元の飼い主に返して来てと頼むが、意に介さない克平……そして口論となり、終いには八千代が、、
「私今、ほんとは泣き掛かってますの……」
「ほらっ、涙が出ます。」( ;∀;)
流石に泣かれては、、と観念する克平……
このシーンで、冷たい男と思っていた克平の犬好きで実は気の優しい一面がある事と、八千代の気が強そうに見えて女らしい面がある事が分かります。。
先程の電話のシーンとの対比がまた面白いですね👍
⬆ここで素直に「ゴメンね、愛してるよ!」、と言って、二人の仲が戻れば一件落着だったのですが……f(^_^;
そして、
あの、ワンちゃん(名前はロンに決定)は、梶の妾・杏子に巡り巡って飼われることになり⬇
⬆それからまたある日「運命のイタズラ」が!
克平がたまたま洋裁店で飼われていたロンにそっくりなワンちゃんを見つけるが、、
ここで、八千代と正反対で犬好きの店主・杏子と出会い、、
克平は、杏子に一目惚れにも似た感情を覚え、杏子もまた克平に好意を持つが、この女性にパトロンが居て、まさかそれが義父だとは思いもよらない。。。
⬆パトロンの【山村 聡】さんは、、年齢的に身分をわきまえていて、嫌らしさのない、、珍しく善人な女性からすれば最高(?)のパトロンさんなんですが、「結婚なんてくだらん!」と、やはり何処かで杏子の事を縛っていたのでしょう。。
梶への感謝の気持ちから、他の男との付き合いを、ずっと拒んで来た杏子は、六十歳の梶に、飾りではなく人間として愛して欲しいと迫るが。。
梶が、それを受け入れられない事は杏子も分かっていた。。只、克平への愛を選択する後押しとなる、きっかけが欲しかったのだろう……
複雑に絡み合った、五角関係にどの様な終止符が打たれるのかと期待して観たが、、
‥………………………
曾根は、八千代の求愛に対して面食らってしまい、、克平と八千代を仲直りさせようと説得に動き。。THE END
克平の妻・八千代が、パトロン梶の娘だと言う事を知った杏子は、泣く泣く克平との別れを選択して。。THE END
旅立った克平は、カラコルム山脈で、、
一人何を思ふのか。。
最後は、梶の独り言。。
「若さ故の純粋さから、傷付いたり、回り道を繰り返しながら、完成された人間として、またやって来る。」
『あした来る人』。。THE END
う~ん文学的ですね。。
結果、何の変化も起こらなかった事が逆に劇的な幕切れか。。m(__)m
★★★
………………………………
本作については、、
オーソドックスに真面目に作り過ぎた感もありますが。。
それでも、
『飢える魂』しかり、台詞の使い方やカメラワーク等、一筋縄には行かない川島流大人のラブ・ストーリーを見せてくれました👍
オープニングのホテルの屋上から真下を俯瞰するシーン➡ホテルに訪れた男(曾根)の足元へ切り替わる所や、、ラストシーンの長い廊下でのカメラワーク等、やっぱ川島だっ!
⬆『しとやかな獣』のワンシーン!
構図が似てますよね👍こころの声を呟きながら歩く所等も、同じです。。
…………………………
⬆つれない旦那に欲求不満気味の八千代役【月丘 夢路】さん、、自分の性格にも問題がある事に気付いていないお嬢様。。台詞の一つ一つが、意味深で面白い!シナリオのセンスは流石です👍
⬆同じくパトロンが潔すぎて(?)欲求不満気味の杏子役【新珠 三千代】さん、、運命の出会いにも躊躇してしまう純日本的女性(?)。。
川島映画の新珠さん、、本作でも堪え忍んでいます……
⬆単純に山&犬好き男・克平役の【三橋 達也】さん、、自分の趣味に理解のない八千代にもはや愛情等は無い……自分の全てを認めて欲しいなんてワガママ男が、八千代と合う筈が無い…… 遭難を心配して登山口まて来てくれた杏子に気持ちが移るのは必然だった。。
⬆堅物の生物学者「ソニヤン」こと曾根役の【三國 連太郎】さん、、八千代も拍子抜けする程、イイ人に終わる。。残念、、三國さんのイメージ(笑)的に八千代と結ばれると思いきや、二人の説得に回るとは。。意外でした m(__)m
そして毎度【黛 敏郎】氏の音楽ですか、、
本作ではハリウッド映画の様な優雅でダイナミックなオーケストラサウンド!なんですが、なんか仰々しかったです、、、
しかし、この作品のMVPは間違いなく☝
スピッツの【ロン】ちゃんだ❗❤
可愛すぎでしょ!



















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