昨日のニュースで知りました、、
四月に奥様であった【朝丘 雪路】さんの逝去に続き【津川 雅彦】さんも、後を追うように七十八年の生涯に幕を閉じられました。
非常に悲しい知らせが、多過ぎて戸惑うばかりです。
今日はその津川さんの出演作品から、一本を紹介させていただきますm(__)m
注 : 恐縮ですが、いつも通りに砕けた表現で感想を綴っております。
『狂った果実』
本作品は、【石原 裕次郎】さんの主演作としてあまりに有名ですが……実は、、物語の本当の主役は、【津川 雅彦】さんだと思っています。
芸能一家のサラブレッドとはいえ、、不朽の名作が主演デビュー作になるとは、やはり強運を持った方だったのでしょう。
それ以降も、多くの作品に出演され、、
独特の風貌で、唯一無二の役柄を演じきった【津川 雅彦】さんの、若き日の代表作。
◇ 1956年作品
監督 : 中平 康
原作・脚本 : 石原 慎太郎
音楽 : 佐藤 勝、武満 徹
出演 : 石原 裕次郎、北原 三枝、津川 雅彦、岡田 眞澄、東谷 暎子、、石原 慎太郎、長門 裕之
〈簡単なあらすじ〉
ある年の夏、
鎌倉に住む上流家庭の兄弟・夏久(石原 裕次郎)と春次(津川 雅彦)は、毎日、暇を持て余し葉山でボート遊びに興じている。
いつもの様に、二人が葉山へ遊びに行く途中、駅のホームで春次は、落とし物を拾ってくれた年上の女性・恵梨(北原 三枝)に一目惚れしてしまった、、
その後、海で偶然、恵梨を見付け、知り合いとなるが、若く純情な春次に、恵梨も興味を持つ様になっていった。
春次の大人への第一歩が始まる。。
そして、
春次に嫉妬する夏久は、遂に、二人の仲を無理矢理、引き裂こうとする行動に出たのだった。。
仲の良かった兄弟に不協和音が響き渡る。。
‥………………………
二人の乗るヨットを見つけた春次、、
そして、恐ろしいクライマックスが、、
若さ故の、夏久と春次の行動。。
只々、退屈な毎日を刺激的な日々に変えたい等と言う、浅はかな若者の思考が生んだ悲劇にも見えるが、、既に心の奥底に潜在していたコンプレックスに苛まれ、、二人の距離を縮める事の出来ない深い因縁が感じられた。。
★★★
予期できる最悪の結末だった事で、、
より大きな衝撃を覚えました。。
‥………………………………
スピード感溢れる(笑)若者の議論シーンからの道子(東谷 暎子)が「お腹空かない?メシにしよう❗」のオチは何なんでしょう……ギャグと捉えて良いのか、、微妙……
この不思議さが【中平 康】監督。。
フランソワ・トリフォーやジャン=リュック・ゴダールが、映像手法等を絶賛したとされる本作、、いわゆるヌーヴェルヴァーグに多大な影響を与えた!とも言われ、辛辣なユニークさと斬新な映像美が魅力の監督です。
………………………
⬆フランク役のファンファン【岡田真澄】さん、名台詞「焼酎ある?」👍ノー天気に振る舞うが、実は一番マトモな若者だった。。
⬆春次役の【津川 雅彦】さん、この時、十六歳で、とにかくお若い❗
病的にも写るその眼差しに、全てを物語る程のパワーを感じました。
早口の上に、舌ったらずで聞き取りづらい台詞は、、ご愛嬌(笑)m(__)m
本作以降は、
兄の【長門 裕之】さんと共に、数多くの映画やテレビに出演されますが、、紆余曲折を経て……70年代以降は、二枚目俳優から、超個性的な悪役へと転身し大活躍されました!
⬆『男はつらいよ私の寅さん』では、いけすかない金持ちの画商役でした。。
しかし、、、
【渥美 清】さんと同じ命日になるとは、、
渥美さんと親交の深かったと言う【朝丘 雪路】さんも、さぞ驚かれているのでは、、
【津川 雅彦】さんの
ご冥福を心よりお祈りいたします
………………
一つだけ余談、、
津川さんは、木のおもちゃ専門店『グランパパ』を経営されていましたが、、私も凡そ15年前に同じ様なコンセプトのおもちゃ屋さんを企画運営していた事がありました。始めた頃、実は『グランパパ』の存在を知らず、、後々知ったのですがm(__)m、、
コンセプト等が、私の考えと合致していて、非常に感銘を受けた覚えがあります。。
が、、やはり経営は相当厳しかったでろう事は、身を以て体験した私には想像に容易く、影ながら応援してきましたが、、最後は大変残念な結末だったと思います。。。
夢や理想を貫くのは本当に難しく、無念ですね (ToT)