百人一首でもよく知られている

小野小町

美人で才女の彼女は

さぞ男性にモテたことでしょう


ところが彼女片想いしていたようで

誰に恋していたかは不明ですが

古今和歌集に歌があります

巻十二 552~554


思ひつつ寝ればや人の見えつらん

夢と知りせば覚めざらましを

  あの人のことを思いながら眠りに

  ついたから夢に出てきたのでしょうか

  夢と知っていたなら目を覚まさなかったのに


あの人を思う気持ちは

なんて切ないのでしょう

続いての歌


うたたねに恋しき人を見てしより

夢てふものはたのみそめてき


夢でも会いたい~

の気持ちわかりますね

更には


いとせめて恋しき時はむばたまの

夜の衣を返してぞきる


寝る時にかける「夜の衣」の

袖を裏返すと夢で逢える

という俗信を信じて

全て裏返してかけて寝よう

なんて乙女チックなんでしょう

さてこの恋は成就したのでしょうか?



あの有名な歌


花の色は移りにけりないたづらに

わが身よにふるながめせしまに


ああもう私は歳だから

色褪せてしまうわよ~


ってことでしょうか・・・


ついには年下の小野貞樹に

おもいきって歌を送りました


今はとてわが身時雨にふりぬれば

言の葉さへに移ろひにけり


私のことを忘れてはいませんか?

まだ思っていてくれるのかしら

こんな歌を送られた彼は


人を思ふ心のこの葉にあらばこそ

風のまにまにちりもみだれぬ

  あなたを思うこの心が木の葉なら

  風のままに散り乱れることも

  あるだろう


         巻十五 782・783


ああもう相思相愛?


昔の人の恋の行方

千年の時を越えて

現代に復活です



小野小町



うたたねに言葉を交わし移ろえば

乱れて風に夢を頼める





貴方に送ります



返歌いただけますか?