揺れ動く日本語「~まみれ(1)」(受難表現の前向き用法) | MARK AKIYAMAのブログ

揺れ動く日本語「~まみれ(1)」(受難表現の前向き用法)

 老舗の雑誌、週刊朝日では、毎年12月20日前後の号を一冊まるごと猫特集にする。ネコ好きの我が家では必ず購入する。付録のネコカレンダーをトイレに貼るのがルーティンだ。

2021年のキャッチコピーが「ねこまみれ」だということに気づいた。「まみれ」は元々、油まみれ、泥まみれのように何かの被害にあったときに使われる言葉だ。それが受難ではなく「まみれて陶酔する」かのように使うのが近年の新しい傾向である。

 

「まみれ」は「まみれる」(下一段活用の自動詞)の連用形中止法による名詞化だが、本来の動詞としての使用は限定される。

つまり、

・必死の盗塁後、瑛太くんのユニフォームは砂にまみれていた

というような使い方がほとんどで、

・まみれ(ない)(未然形)、まみれる(連用形)、まみれれ(ば)(仮定形)、まみれ(ろ)(命令形)

という活用はほとんど使用されない不思議な動詞である。

わずかに、

 ・泥にまみれる瑛太くんのユニフォーム姿が印象的だった。

 

というような連体形の使用が見られる。 
 (8月4日「~まみれ(2)」に つづく)