先日、とあるお店にいたら、
「真夜中のドア~Stay With Me」という曲がかかりました。
「松原みき」さんが歌っていた曲です。
http://www.youtube.com/watch#!v=k-KAY_Glmn4&feature=related
「みき」さんには、想い出があります。
オレがこの世界に入ってすぐの頃。
当時、某音楽事務所に所属していました。
プロといっても、
飯が食えないくらい貧乏でして^^;
事務所の給料があまりに安いので、
ライブの仕事がない時に、
先輩のミュージシャンとバンドを組んでお店で演奏していたんですね。
他のメンバーの方は、オレよりも1まわり以上年齢が上の
ミュージシャンだったんです。
とても優しい人達で、可愛がってもらったんだけど、
音楽に関しては、諦めてる感が凄くあって、
オレはそれが凄くイヤだったんです。
「食えれば良いんじゃない?」的な感じというか。
それなのに、なんでバンドやってたかって言うと、
どうしてもお金が欲しかったから。
当時の給料で、家賃と学費を払うと
もう食費がなかったし、
かといって他のバイトは禁止されていたので、
音楽の仕事でおこづかいをもらうには、
そうやって演奏するしかなかったんです。
って言ったって、ギャラは事務所に行っちゃうんで
お客さんの「おひねり」が1回ライブをやると
5千円位にはなったんですよ。
恥ずかしい話だけど、俺はその5千円がどうしても欲しくて、
自分の気持ちをおさえてやってたんです。
ただみんな優しい人だったんで、続けられたんですけどね。
そうはいいつつ、毎回葛藤をしながら、演奏してたわけで。
「オレはこんな事やる為に、プロになったわけじゃねえ」って。
ガキの「いきがり」ですね、簡単に言えばw
で、想い出と言うのは、
そのバンドのライブが新宿であった時の事。
機材を片付けて帰ろうとしたら、
お店のスタッフに呼び止められたんです。
「あのさ、君、松原みきさんって知ってる?」
「あ、はい。お名前は聞いた事がありますけど.....」
「さっきさ、ライブに来てくれてて、
君に言いたい事があるって言われて、伝言頼まれたんだよ」
「はい....」
当時、みきさんは歌手としてよりも
作曲家として活躍されているって聞いた記憶があるんだけど、
実は会った事もなくて、
最初はよくわからなかったんだよね、話が。
「あのね、君以外のメンバーは音楽の気持ちの速度が普通なんだって。
で、君だけが新幹線みたいな速さだって。
だから、自分の速度と同じ人と音楽やった方がいいよ。
何かあったら、連絡して来て!って言ってたよ」
「はい。ありがとうございます」
今でもよく覚えてるのは、
新幹線という例えが印象的だったから。
そして電話番号を書いたメモを渡されました。
今にして思えば、みきさんは元々ミュージシャンで
シンガーだったから、
オレの気持ちがわかっちゃったんだろうと思うんだ。
自分の心に「嘘」をついて音楽やったら、
ダメなんじゃない?って。
帰りの新宿から横浜まで電車の中で、
「その伝言」を何度も考えていた記憶があって。
やっぱり音楽で仕事をしたかったから、
入れてもらった事務所を辞めるわけにはいかない。
でも、すきなように使われて、
扱いや待遇も確かにひどかった。
他のバイトをした方がお金が儲かるのはわかってたけど、
小さなプライドがあって、
でも5万円の給料を無くすと生活が出来ないので、
毎日葛藤しながら、生きてたように思う。
きっとオレだけじゃなく、
同じような気持ちを経験してる人もいるんじゃない?
やりたい事はあるけど、
生活しなきゃいけない。
でも、このままの自分で良いのか?って思う時もあるじゃん。
オレもそうだったんよ。
それがきっかけになって、
色々と考えて、事務所を辞める事にしました。
あとで社長にメチャクチャ脅かされたけどw
当たり前だけど、それまでしていた仕事ってのは、
事務所の名前で来ていた仕事であって
オレの名前で来ていたものじゃないわけ。
案の定、やめてから3ヶ月は1本も仕事がこなかったけどね^^;
好きなことをやるって、本当に厳しいんだなって思ったし、
今にして思えば、
20歳ぐらいでそれを経験出来たのがよかったのかも。
覚悟が決まったから。
あの時、背中を押してくれたのは
「みき」さんの言葉だったわけで。
誰かわからないオレに、
「何かあったら連絡して」と声をかけてくれたその優しさは
本当にありがたかったわけで。
仕事がなくて、「連絡しようかな?」と
チラっと考えた事はあったけど、
一人前になってから、いつかお礼に行こうと思ってました。
それからしばらくして、1年前に送ったデモテープが海を渡り
ロンドンからオファーがあって、新しい道が開けた。
もしそのまま事務所にいたら、
しがらみがあって絶対に行けなかったと思う。
実は5年前に「みき」さんの訃報を聞きました。
「みき」さんとしては、
普通に言ってくれたんだと思うんよ。
でもそれって、オレの人生には凄く大きなことだったんで、
オレもプロを目指してるミュージシャンや
今、頑張っている人からアドヴァイスを求められたときは、
できるだけ親身になって話そうと思っているんだ。
オレなんかが言える事は小さいけど、
相手に伝われば、その後は本人がどう行動するかだから。
「真夜中のドア」は
今聞いても素晴しい歌だし、曲だと思う。
記憶の中にある事って、曲によって呼び覚まされるんだよね。
そのときの気持ちに戻れるって言うか。
音楽ってそういう力があると思う。
「みき」さんが作曲家として書いた曲で
オレが一番好きな曲が、
國府田マリ子さんが歌っている『雨のちスペシャル』
http://www.youtube.com/watch?v=tKKz17xZINM
こういう素敵な曲が
いつか書けるようになりたいです。
そうなれるように頑張らないと。
音楽やるって、色々あるけど。
でも本当に幸せだよ。
いつも応援してくれてありがとう。
これからもっと、
みんなの大好きな「イケメン」くん達を輝かすから
楽しみにしておくんなましw
オレの中で永遠に輝く「みき」さん。

本当に素敵です。
I LOVE YOU.