医療事務会社の不正閲覧 | 経営コンサルティング《ここだけの話》高野聖義

経営コンサルティング《ここだけの話》高野聖義

経営コンサルタントが語るビジネス情報。医療機関の医療コンサルティングにまつわる「ここだけの話」や、最新ビジネス事例について解説。

医療コンサルティングの高野聖義です。


仙台の河北新報の記事です。
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201506/20150610_13020.html

電子カルテの不正閲覧があったという記事です。

記事でしか情報を入手できておりませんので、事件の内容に関しては解説できませんが、
これは、逆に電子カルテだからこそ発見できたものであるとも言えます。

通常の紙カルテの場合、閲覧されていても痕跡は残せません。
そのため、誰がいつ見たのかということに関しては、把握できなかったのです。

しかし、電子カルテにより、全ての閲覧状況を把握することができるのです。

これは、

 ・医療機関にとっては、プライバシー対策への教育対策の準備

 ・職員ににとっては、不正なことは全て監視されているという認識からの抑止力

の2つの側面があると言えます。

今後、電子カルテ化は必須です。
しかし、同時に電子カルテを使用する側のモラルハザードを防ぐ必要があります。



以下、転載

電子カルテ「興味本位で見た」院内で不正閲覧

 家庭内暴力(DV)が原因で大崎市民病院(大崎市)に保護入院する姉妹の電子カルテが、院内で不正閲覧されていたことが9日、分かった。

 委託する医療事務会社の社員ら20人以上が職務と無関係に閲覧し、一部は「興味本位で見た」と認めているという。姉妹の母親(44)は「娘の病歴や家庭の事情が、カルテの記載を介して知れ渡った」と、病院と医療事務会社を相手に訴訟を検討している。

◎入院姉妹の母、訴訟検討

 母親の代理人弁護士によると、母親はことし2月まで、医療事務会社の社員として大崎市民病院で働いていた。昨年10月、夫が10代の次女に暴力を振るい、脚にけがをさせたため、診察した医師の判断で20代の長女と共に同病院に保護入院させた。

 姉妹に付き添うため母親が医療事務会社の上司に「次女が階段から落ちてけがをした」と休暇を申請したところ、「あなたの家庭内の事情は全部分かっている。なぜうそをつくのか」となじられたという。

 不審に思った母親は病院の関係者に相談。
「電子カルテが不正閲覧されているのではないか」と疑った関係者の報告で病院側が調査を行い、医療事務会社の社員と、看護師ら病院職員の計24人が不正閲覧していたことが分かった。

 母親は「結婚直後から夫に暴力を振るわれてきたことや、DVが原因で長女がうつ病になったことなどが無関係な人にも知られてしまった」と憤る。社員の一部は「興味本位で見た」と打ち明けて母親に謝罪したが、職場の人間関係は修復できず、母親は2月末で医療事務会社を退職した。

 電子カルテは、患者のIDが分からなくても名前や年齢から絞り込んでアクセスできる仕組みだという。

 母親は「2月初めに病院側と話し合いをしたが、再発防止策の提示も不正閲覧した病院職員からの謝罪もなかった」と話す。

 阿部健雄大崎市病院事業管理者は「2月の面会で私が謝罪した。
 不正閲覧した病院職員は口頭で注意処分とした」と言う。不正閲覧防止については「職員のモラルに訴えるしかない。患者のプライバシー保護の徹底を呼び掛けている」と説明する。

 医療事務会社の広報課は「この件については把握していない」と話す。