業務効率化と人材育成 | 経営コンサルティング《ここだけの話》高野聖義

経営コンサルティング《ここだけの話》高野聖義

経営コンサルタントが語るビジネス情報。医療機関の医療コンサルティングにまつわる「ここだけの話」や、最新ビジネス事例について解説。

医療コンサルティングの高野です。


ある眼科医院で、受付部門の業務効率化のご相談を受けて対応しています。


問題点は、1.待ち時間が多い 2.人が育たない 3.無駄な作業がある というものです。

1は、2・3が原因です。

2.人が育たないというのは、今一番の課題になっていることです。
この点について少し考えてみたいと思います。

医療機関は、異業種からの転職が受付をやることが多いのです。
これは、医療事務という職種になりたいという転職希望者が増加していること、
医療事務という職種経験者が少ないことが要因です。

そのため、全く業務がわからない状態で勤務することが多くなり、
業務を覚える前に、限界を感じて退職するという方が多い傾向にあります。


総合病院の医事課のように専門化分業化が図れているような場合は、
狭い業務範囲を覚えることに集中できるため、大きなストレスを感じない
場合が多いです。(当然仕事を覚えるまでにはストレスはありますが、、)


診療所の受付の場合、電話対応、患者さんの初期対応、予約対応、会計対応、
クレーム対応など、業務が複数発生します。

そのため、同時にいくつかの仕事を覚えなくては戦力化されないという
問題を抱えています。


異業種からの転職の場合、レセプトがわからない、電話を受けてもよくわからない
医院のシステムがわからないなど、わからないことだらけになります。

その中で仕事を覚えていくために、忙しい医院では、短期間であきらめてしまう
ことが多いです。


もし、これから医療事務として、診療所で受付として働きたいという方がおられたら
覚悟してください。

・確実に頭がパンクします。
・プレッシャーでしんどい時があります。

どんな仕事でも転職というのはハードルがあります。
この時期を乗り切ることが重要なのです。

医院の教育システムが完備されていないという問題もあるのですが、
覚える側にとっては、情報量が多すぎるため、教育カリキュラムをこなす
だけで大変です。ただ、かなりの量を覚えない限り受付カウンターで
戦力にならないのです。

ハートを強く持って、耐える時期を乗り越えていただきたいと思います。

それぞれの医療機関に応じて、教育カリキュラムも作っていきますが、
どうしても、教えられる側に委ねる場面があります。
その時に、「できない」「無理」と言われてしまうと、カリキュラムも
こなせないのです。

医療事務は、大変な仕事です。
どんなに資格をとっても、現場の仕事を覚えなくては、戦力になりません。
少しの間踏ん張るしかないと、覚悟を決めて働いていただきたいと思います。

最近、医療業界未経験者の求人応募者が増えています。
しかし、短期間で退職ということも珍しくありません。

少しの間、我慢するということも重要です。
そして、その時期を乗り越えると、「なんでできなかったのだろう?」
というような状態に入ります。

うまく、最初を乗り切っていただきたいと思います。
採用した医院側からの、本音の部分をご紹介いたしました。

参考になれば、幸いです。