レーシックの普及について | 経営コンサルティング《ここだけの話》高野聖義

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医療コンサルタントの高野聖義(昌則)です。

東京の眼科医院で起こった感染症の問題で、レーシックの一般の方の認識が変わりつつあります。

レーシックは基本的に20代、30代という比較的若い層をメインターゲットとしており、経済的に苦しい年代層を対象としてきました。

しかし、感染症の問題で安かろう、悪かろうの風潮が出てきています。

レーシックの設備は、通常7千万円から1億円と、一般の診療所では手の出しにくい設備です。また、機種にもよりますが、年間の維持費が1千万円台という高額な保守料を支払わなくてはならず、通常低価格での手術は難しいのです。

医院側の必要経費も、医院としての人件費を除いて、1件の手術で数万円はかかります。両眼であれば、10万円に近い経費がかかります。

この中で、設備増強ができる医院では、薄利多売の経営スタイルで価格を下げることができますが、感染症予防対策やスタッフの人件費などを考えると、膨大な数の手術数を確保していく必要があるのです。

そのため、個人医院の場合で、10万円を割る手術費用という事は非現実的なのかもしれません。

赤字覚悟で安く提供している医院も多くありますが、眼科医療の高度化を実現するための設備投資として割り切っています。

このような実情を理解しているのか分かりませんが、やはり安すぎるのは怖いという風潮が生まれ始めています。

きわめて日本的な発想ではありますが、実際に手術数が増加しているのは、設備投資を怠らず、感染症対策を含め、適切な医療を提供している眼科医院のようです。

景気の動向が不透明な時代の中では、このような風潮が消されることも考えられます。

今後も患者心理の変化についていく必要があります。